論文詳細 
原文の要約 :
Vemurafenib is a B-Raf V600E inhibitor that exerts significant inhibitory effects in melanoma but not in colon cancer, and the mechanism of vemurafenib resistance remains unclear. In this study, bioinformatics analysis of gene profiles in cancer cells treated with vemurafenib or its analog revealed ...掲載元で要旨全文を確認する
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引用元:
https://doi.org/10.1016/j.canlet.2019.02.050

データ提供:米国国立医学図書館(NLM)

アデホビルジピボキシルがKCTD12-CDK1相互作用を阻害することで、大腸がん細胞に対するベムラフェニブの感受性を高める

ベムラフェニブは、メラノーマに対しては有効なB-Raf V600E阻害剤ですが、大腸がんに対しては有効性が認められていません。本研究は、ベムラフェニブ抵抗性のメカニズムを解明するために、ベムラフェニブまたはその類似体で処理されたがん細胞の遺伝子プロファイルをバイオインフォマティクス解析しました。

その結果、細胞周期の進行がベムラフェニブによって有意に影響を受けることが明らかになりました。さらに、研究チームは、ベムラフェニブ抵抗性の大腸がん細胞株においてCDK1が安定的に活性化していることを発見しました。このことから、CDK1の活性化がベムラフェニブ抵抗性の原因であると考えられています。KCTD12-CDK1相互作用はCDK1の活性化に必要であることから、研究チームはFDA承認薬ライブラリーから616種類の化合物を選別し、HBV感染症の治療に使用されるヌクレオシド類似体であるアデホビルジピボキシル(AD)がCDK1-KCTD12相互作用を阻害し、細胞周期のG2期停止を誘導することを発見しました。機能的アッセイの結果、ADは、in vitroおよびin vivoにおいて、大腸がん細胞の増殖と腫瘍形成を有意に抑制することが示されました。さらに、ADは、ベムラフェニブ抵抗性の大腸がん細胞および腫瘍異種移植片に対するベムラフェニブの感受性を高めました。

CDK1の活性化がベムラフェニブ抵抗性を引き起こす可能性

この研究は、CDK1の活性化がベムラフェニブ抵抗性を引き起こす可能性を示唆しています。また、ADは、大腸がんの単剤療法およびベムラフェニブとの併用療法における有望な治療戦略であることが示唆されています。

大腸がん治療への新たな道筋

この研究結果は、大腸がんに対する新たな治療戦略の可能性を示唆しています。ADは、ベムラフェニブ抵抗性を克服する効果を持つ可能性があり、将来的には大腸がん治療の選択肢の一つとして期待されます。ただし、ADは、副作用の発生など、さらなる研究が必要な点があります。

ラクダ博士の結論

砂漠に現れる幻影のように、ベムラフェニブ抵抗性は大腸がん治療の難題です。しかし、研究チームは、砂漠のオアシスのように、ADという新たな治療薬を発見しました。ADは、CDK1の活性化という鍵を握り、ベムラフェニブ抵抗性を克服する可能性を秘めています。この発見は、大腸がん治療の未来を明るく照らす光となるでしょう。

日付 :
  1. 登録日 2020-02-14
  2. 改訂日 2020-02-14
詳細情報 :

Pubmed ID

30872078

DOI(デジタルオブジェクト識別子)

10.1016/j.canlet.2019.02.050

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