抗精神病薬によるヒトリコンビナントアセチルコリンエステラーゼ活性の阻害

著者: ArieChiaki, FujiiAyano, HaradaNatsuki, MatsuoKazuhiro, ObaraKeisuke, TanakaYoshio, YamakiFumiko, YoshioTakashi

原題: Inhibition of Recombinant Human Acetylcholinesterase Activity by Antipsychotics.

概要

本研究では、臨床で用いられている26種類の抗精神病薬のアセチルコリンエステラーゼ（AChE）活性に対する阻害効果を調べました。その結果、抗精神病薬によるAChE阻害が錐体外路症状の発症に関与している可能性を予測するのに役立つ可能性があります。

論文詳細　

原文の要約 :

Extrapyramidal symptoms (EPS) are representative side effects of antipsychotics, caused by their inhibitory action on dopaminergic nerves in nigrostriatal pathways. EPS could be also caused by direct augmentation of cholinergic effects, for example, by acetylcholinesterase (AChE) inhibition. We inve...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

抗精神病薬によるヒトリコンビナントアセチルコリンエステラーゼ活性阻害

抗精神病薬は、統合失調症などの精神疾患の治療に用いられますが、錐体外路症状（EPS）と呼ばれる副作用を引き起こすことがあります。EPSは、抗精神病薬がドーパミン神経を阻害することで発生すると考えられています。しかし、抗精神病薬がアセチルコリンエステラーゼ（AChE）を直接阻害することで、コリン作動性神経の活動を亢進させ、EPSを引き起こす可能性も指摘されています。本研究は、26種類の市販されている抗精神病薬のAChE阻害作用を調べ、EPSの発症におけるAChE阻害の役割を評価しました。

抗精神病薬のAChE阻害作用とEPS

研究結果によると、いくつかの抗精神病薬は、ヒトリコンビナントAChE（rhAChE）の活性を阻害することが明らかになりました。この結果は、これらの抗精神病薬が、AChEを直接阻害することで、EPSの発症に関与している可能性を示唆しています。しかし、すべての抗精神病薬がAChEを阻害するわけではありません。また、EPSの発症には、AChE阻害以外にも、ドーパミン神経の阻害など、複数の要因が関与している可能性があります。

EPS予防のための更なる研究

本研究は、抗精神病薬の副作用であるEPSの発症機序を解明する上で重要な知見を提供しています。今後、抗精神病薬によるAChE阻害とEPSの関係をさらに詳しく調べることで、EPSの予防や治療のための新たな戦略を開発できる可能性があります。砂漠のラクダのように、EPSという砂嵐に立ち向かうために、私たちは、更なる研究を進め、より安全で効果的な治療法を開発していく必要があります。

ラクダ博士の結論

抗精神病薬は、精神疾患の治療に役立つ一方で、EPSという副作用をもたらすことがあります。研究結果から、一部の抗精神病薬はAChEを阻害することで、EPSの発症に関与している可能性が示唆されました。今後、抗精神病薬のAChE阻害作用とEPSの関係をさらに詳しく調べることで、EPSの予防や治療のための新たな戦略を開発できる可能性があります。砂漠のラクダのように、私たちは、知識を深め、より安全で効果的な治療法を追求していく必要があります。