論文詳細 
原文の要約 :
BACKGROUND: Olmesartan, an antihypertensive drug, may be associated with a severe "sprue-like enteropathy". OBJECTIVES: To report a case of Olmesartan enteropathy demonstrated by video capsule endoscopy distally from the second duodenum along with the whole small bowel before and after drug withdra...掲載元で要旨全文を確認する
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引用元:
https://doi.org/10.2174/1574886314666190923161406

データ提供:米国国立医学図書館(NLM)

オルメサルタン関連腸症:疑問視される上部内視鏡検査・組織学的所見におけるビデオカプセル内視鏡検査の有用性

消化器内科において、オルメサルタンという高血圧治療薬が原因で起こる、深刻な「スプルー様腸症」が近年注目されています。本研究は、オルメサルタン関連腸症の診断にビデオカプセル内視鏡検査が有用であることを、症例報告を通して示しています。81歳の男性が、倦怠感、慢性的な水様性下痢、浮腫(腹水、胸水、四肢の浮腫)を訴え、オルメサルタン関連腸症の疑いがありました。他の感染症や炎症性腸疾患の可能性は否定され、上部内視鏡検査では異常は認められませんでした。しかし、十二指腸の組織学的検査では、粘膜と上皮内にリンパ球が中等度かつ散在性に浸潤しており、部分的な絨毛萎縮が断続的に認められました。オルメサルタンが原因である可能性は、ナランホ尺度で7点と評価され、強い可能性を示していました。オルメサルタンは中止されましたが、患者の重篤な全身状態を考慮し、非侵襲的な検査であるビデオカプセル内視鏡検査を実施しました。その結果、空腸と回腸の粘膜に変化(モザイク様パターン、びまん性充血、重度の浮腫、それに伴う明らかな管腔狭窄、腸襞のびまん性肥厚、多発性びらん、散在性リンパ管拡張)が認められました。オルメサルタンの中止後14日で、浮腫状態と水電解質異常の改善がみられました。9ヶ月後の小腸ビデオカプセル内視鏡検査では、軽度の粘膜充血とモザイク様パターンが認められました。この症例は、オルメサルタン関連腸症の病変が主に十二指腸よりも遠位に位置する可能性があることを示しており、診断が難しい場合にビデオカプセル内視鏡検査が有用であることを示しています。

オルメサルタン関連腸症:ビデオカプセル内視鏡検査の重要性

この研究では、オルメサルタン関連腸症の病変が十二指腸よりも遠位に位置する可能性があることが示されました。従来の上部内視鏡検査では、オルメサルタン関連腸症の病変を捉えにくい場合がありますが、ビデオカプセル内視鏡検査は、小腸全体を可視化できるため、オルメサルタン関連腸症の診断に非常に有効です。この研究の結果は、オルメサルタン関連腸症の診断において、ビデオカプセル内視鏡検査の重要性を示唆しています。

オルメサルタン服用時の注意

オルメサルタン服用中に、倦怠感、慢性的な水様性下痢、浮腫などの症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。オルメサルタン関連腸症は、早期に診断・治療することで、症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。

ラクダ博士の結論

オルメサルタン関連腸症は、まるで砂漠の蜃気楼のように、上部内視鏡検査では捉えにくいことがあります。しかし、ビデオカプセル内視鏡検査という新しい技術を用いれば、この蜃気楼を鮮明に見ることができ、正確な診断に繋がるのです。オルメサルタンを服用している方は、体調の変化に注意し、必要であれば医師に相談するようにしましょう。

日付 :
  1. 登録日 2020-10-26
  2. 改訂日 2020-10-26
詳細情報 :

Pubmed ID

31549594

DOI(デジタルオブジェクト識別子)

10.2174/1574886314666190923161406

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