パルテノライドの化学と生物活性の進歩

著者: ArndtHans-Dieter, FischerDietmar, FreundRobert R A, GobrechtPhilipp

原題: Advances in chemistry and bioactivity of parthenolide.

概要

パーセノライドは、セイヨウノコギリソウから得られる天然化合物であり、抗炎症作用、酸化還元調節作用、エピジェネティックな作用を示す。癌幹細胞や前駆細胞を選択的に標的とする。さらに、パーセノライドは微小管の動態を調節し、神経再生、心筋細胞の機能、転移の発生に影響を与える。

論文詳細　

原文の要約 :

Review covering up to 07/2019(-)-Parthenolide is a germacrane sesquiterpene lactone, available in ample amounts from the traditional medical plant feverfew (Tanacetum parthenium). Acting as a covalently reactive compound, it displays anti-inflammatory, redox-modulating, and epigenetic activities, as...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

パーセノライド：化学と生物活性に関する最新情報

伝統的な薬用植物であるセイヨウノコギリソウ（Tanacetum parthenium）から大量に得られるゲルマクラン型セスキテルペンラクトンである(-)-パーセノライドは、薬学、特にがん治療の分野で大きな注目を集めています。本研究は、パーセノライドの化学的特性と生物活性に関する最新の知見をまとめ、その薬効の可能性を探求しました。

パーセノライドは、共有結合的に反応する化合物として、抗炎症、酸化還元調節、エピジェネティックな活性に加えて、がん幹細胞や前駆細胞に対する選択的な細胞毒性を示します。さらに、パーセノライドは、細胞骨格の特定の翻訳後修飾であるα-チューブリンの脱チロシン化を阻害することで、微小管のダイナミクスを調節することがわかりました。

このレビューでは、近年達成されたパーセノライドの合成と、生物活性に基づく誘導体化戦略を結びつけます。さらに、パーセノライドからの化学プローブ開発について議論し、報告された生物活性と関与または特定された標的の包括的な要約をまとめます。特に、パーセノライド誘発性の微小管調節と、神経（再）成長、心筋細胞機能、および転移発達に関与する最近特徴付けられたチューブリンカルボキシペプチダーゼ酵素に重点を置いています。

パーセノライド：がん治療への応用

この研究は、パーセノライドが、がん幹細胞や前駆細胞に対する選択的な細胞毒性を示すことを明らかにしました。この結果は、パーセノライドが、従来のがん治療では効果が期待できないがん幹細胞を標的にすることで、新たながん治療戦略の開発に貢献する可能性を示唆しています。

ラクダ博士の結論

ラクダ博士は、砂漠を旅する中で、様々な植物の薬効について学びました。パーセノライドは、セイヨウノコギリソウという植物から抽出される物質で、がん細胞に対して強い毒性を示すことがわかりました。この研究は、パーセノライドが、がん治療の新たな選択肢となる可能性を示唆しています。ラクダ博士は、これからも、砂漠に生息する様々な植物から、人類に役立つ薬効成分を見つけ出すために、研究を続けていきたいと考えています。