再発性婦人科悪性腫瘍患者における、エクスポーチン1阻害剤セリンキソールの第2相試験

著者: AuN, ChaiY, ConcinN, CrochiereM, HanS N, HaslundC, JoshiA, KauffmanM, KranichA, LandesmanY, LundB, Mau-SorensenM, MirzaM R, NottrupT, PeenU, RashalT, ShachamS, ShahJ, UmajuridzeZ, UngerT J, Van NieuwenhuysenE, VergoteI B

原題: Phase 2 study of the Exportin 1 inhibitor selinexor in patients with recurrent gynecological malignancies.

概要

この第2相試験では、セリネキソールは、多剤併用療法を受けたことのある卵巣がんおよび子宮内膜がん患者において、単剤療法としての活性を示し、疾患の抑制効果が見られた。疾患抑制率は30%であり、確認された部分奏効は卵巣がん患者で8%、子宮内膜がん患者で9%、子宮頸がん患者で4%であった。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: Selinexor is an oral inhibitor of the nuclear export protein Exportin 1 (XPO1) with demonstrated antitumor activity in solid and hematological malignancies. We evaluated the efficacy and safety of selinexor in heavily pretreated, recurrent gynecological malignancies. METHODS: In this ph...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

セリンキソールの再発性婦人科悪性腫瘍に対する有効性

セリンキソールは、核輸出タンパク質であるエクスポート1（XPO1）の経口阻害薬であり、固形腫瘍および血液悪性腫瘍において抗腫瘍活性を示すことが確認されています。本研究では、前治療歴が豊富な再発性婦人科悪性腫瘍患者におけるセリンキソールの有効性と安全性を評価しました。

本研究の結果、セリンキソールは、前治療歴が豊富な再発性卵巣がん、子宮内膜がん、子宮頸がん患者において、単剤で抗腫瘍活性を示し、疾患コントロール率は30％でした。セリンキソールは、以前の報告と同様に、用量レベルと治療頻度に依存して副作用がみられましたが、副作用は可逆性であり、支持療法によって軽減されました。

再発性婦人科悪性腫瘍に対する新たな治療選択肢

本研究の結果は、セリンキソールが、前治療歴が豊富な再発性卵巣がんおよび子宮内膜がん患者にとって、新たな治療選択肢となりうることを示唆しています。セリンキソールは、既存の治療法が効かなくなった患者さんの治療において、有効な選択肢となる可能性があります。

ラクダ博士の結論

がん治療は、私たちに、新たな治療法の開発と、患者さんのQOL（生活の質）の向上という大きな課題を与えてくれます。セリンキソールは、再発性婦人科悪性腫瘍の治療において、患者さんのQOLの改善に役立つ可能性を秘めています。ラクダ博士も、この研究を参考に、砂漠のように広大な知識を駆使して、がん治療の研究をさらに進めていきたいと考えています。