論文詳細 
原文の要約 :
Current antipsychotic drugs are notably ineffective at addressing the cognitive deficits associated with schizophrenia. <i>N</i>-Desmethylclozapine (NDMC), the major metabolite of clozapine, displays muscarinic M<sub>1</sub> receptor (M<sub>1</sub>) agonism, an activity associated with improvement i...掲載元で要旨全文を確認する
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引用元:
https://doi.org/10.1021/acschemneuro.9b00524

データ提供:米国国立医学図書館(NLM)

認知機能改善を目標とした新しい抗精神病薬

統合失調症の治療は、幻覚や妄想などの陽性症状だけでなく、認知機能の改善も重要な課題です。従来の抗精神病薬は、陽性症状の改善には効果を発揮しますが、認知機能の改善には効果が限定的でした。そこで、近年注目されているのが、ムスカリンM1受容体作動薬です。ムスカリンM1受容体は、脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの受容体であり、認知機能に重要な役割を果たしています。本研究では、ムスカリンM1受容体作動薬であるN-デスメチルクロザピン(NDMC)の認知機能改善効果を検証しました。

ムスカリンM1受容体作動薬は認知機能を改善できる?

研究の結果、NDMCは、ゼブラフィッシュの幼生を用いた実験で、抗精神病薬としての効果を示しました。さらに、NDMCは、ムスカリンM1受容体作動薬として、認知機能を改善する可能性も示唆されました。ただし、NDMCは、周辺神経系に作用して、副作用を引き起こす可能性もあります。そこで、周辺神経系への作用を抑えるために、ムスカリンM1受容体の拮抗薬であるトロスピウム塩化物を併用することで、副作用を軽減できる可能性が示唆されました。

新たな抗精神病薬は認知機能を改善する?

NDMCは、認知機能を改善する可能性を秘めた薬剤ですが、副作用のリスクも考慮する必要があります。今後は、臨床試験を通じて、NDMCの安全性と有効性をさらに検証していく必要があります。もし、NDMCが安全で効果的な薬剤として認められれば、統合失調症患者さんの認知機能改善に貢献する可能性があります。一方で、周辺神経系への副作用を抑えるための対策も必要です。トロスピウム塩化物などの拮抗薬との併用が有効な手段として期待されます。

ラクダ博士の結論

NDMCは、認知機能を改善する可能性を秘めた新しい抗精神病薬です。しかし、副作用のリスクも考慮する必要があります。NDMCは、統合失調症患者さんの生活の質を向上させるための重要な研究成果ですが、さらなる研究が必要です。この研究は、統合失調症の治療に新たな道を切り開く可能性を秘めています。

日付 :
  1. 登録日 2020-12-21
  2. 改訂日 2020-12-21
詳細情報 :

Pubmed ID

31850734

DOI(デジタルオブジェクト識別子)

10.1021/acschemneuro.9b00524

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