セフトリアキソンは、麻酔したマウスの一次体性感覚皮質の局所場電位における、急性コルチゾールの効果を調節する

著者: KunickiCarolina, Pais-VieiraMiguel, PeresAndré, SousaNuno

原題: Ceftriaxone modulates the acute corticosterone effects in local field potentials in the primary somatosensory cortex of anesthetized mice.

概要

セフトリアキソンは、コルチコステロンの脳活動に対する影響を打ち消すのに役立つ可能性がある。本研究では、セフトリアキソンとコルチコステロンは、マウスの体性感覚皮質における特定の周波数帯域に反対の効果を持つことがわかり、セフトリアキソンはストレスホルモンの脳機能への悪影響を逆転させる可能性があることを示唆している。

論文詳細　

原文の要約 :

Stress responses are associated with elevations in corticosterone levels and, as a consequence, increases in glutamate in the central nervous system which can lead to neurological impairment. Ceftriaxone promotes glutamate transport and has been used to reduce glutamate toxicity, but so far it is no...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

セフトリアキソンが麻酔下マウスの体性感覚皮質の局所電位に及ぼすコルチゾールの急性効果を調節

ストレス応答はコルチゾールレベルの上昇に伴い、中枢神経系におけるグルタミン酸の増加を引き起こし、神経障害につながる可能性があります。セフトリアキソンはグルタミン酸輸送を促進し、グルタミン酸毒性を軽減するために使用されてきましたが、セフトリアキソンがコルチゾール投与の効果を逆転できるかどうかは不明でした。本研究では、麻酔下マウスの体性感覚皮質（S1）で記録された局所電位（LFP）におけるセフトリアキソンの急性投与とコルチゾールの急性投与の単独および併用効果について調べました。

セフトリアキソンはコルチゾールによる神経活動の変化を抑制する可能性

麻酔下マウスの体性感覚皮質に生理食塩水、コルチゾール、セフトリアキソン、または両方を注射したグループに分け、LFPを記録しました。コルチゾールは特定の周波数帯域（0.5-4.5 Hz / 0.5-9 Hz）の変位を増加させたのに対し、セフトリアキソンはこれを減少させました。さらに、コルチゾールとセフトリアキソンを両方注射した場合、変位値は再び対照群と同様になりました。これらの結果は、セフトリアキソンとコルチゾールが異なる周波数帯域を逆方向に調節し、セフトリアキソンがコルチゾールの効果を打ち消す可能性があることを示唆しています。

神経保護効果の可能性

セフトリアキソンは、コルチゾールによる神経活動の変化を抑制する可能性があり、ストレス応答による神経障害を予防する新たな治療法として期待されています。セフトリアキソンは、神経保護効果に加えて、細菌感染症の治療薬としても使用されています。ストレスを感じた際は、セフトリアキソンなどの神経保護効果のある薬剤の研究が進み、より安全な治療法が開発されることを期待しましょう！

ラクダ博士の結論

砂漠の厳しい環境では、ラクダは強いストレスを感じることがあります。コルチゾールはストレスホルモンとして知られており、神経活動に影響を与え、神経障害を引き起こす可能性があります。セフトリアキソンは、コルチゾールの影響を打ち消す可能性があり、ストレスによる神経障害を予防する効果が期待されます。今後、セフトリアキソンがストレスや神経障害の治療に役立つのか、さらなる研究が必要です。