下垂体腺腫に基づく、クッシング症候群と巨人症

著者: DragulaMilan, KantárováDaniela, PávaiDušan, SágováIvana, VaňugaAnton, VaňugaPeter

原題: Cushings syndrome and acromegaly based on picoadenoma of the pituitary gland.

概要

本研究は、クッシング症候群と下垂体性巨人症の両方で苦しんでいる41歳の女性の症例報告を示しています。患者は経蝶形骨手術を2回受け、現在もケトコナゾールとランレオチドで治療を受けています。

論文詳細　

原文の要約 :

Cushings syndrome (CS) is a relatively rare disease characterized by autonomous hypersecretion of cortisol. The incidence of CS is estimated to be equal to 2-3 cases per million inhabitants per year. The incidence of acromegaly is 3-4 patients per 1 000 000 per year. The disease is caused by hyperse...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

珍しい組み合わせ：クッシング症候群と下垂体腫瘍による巨人症

内分泌学の分野では、ホルモンの過剰分泌による様々な疾患が研究されています。クッシング症候群は、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの過剰分泌によって起こる病気で、巨人症は、成長ホルモンの過剰分泌によって起こる病気です。どちらも下垂体腫瘍が原因となることが多いですが、本研究では、なんとクッシング症候群と巨人症を同時に発症した41歳の女性患者さんの症例が報告されています。

下垂体腫瘍は小さく、診断が難しい？

患者さんは、中心性肥満と多毛症を訴えて、国立内分泌学および糖尿病学研究所を受診しました。検査の結果、血中コルチゾール値が正常値を上回っており、コルチゾール分泌の抑制が見られませんでした。また、下垂体腫瘍の疑いがあり、MRI検査では2mmの小さな腫瘍が発見されました。その後、腫瘍摘出術が行われましたが、病理検査ではACTH（副腎皮質刺激ホルモン）産生腫瘍は確認できませんでした。手術後もコルチゾール分泌は抑制されず、さらに成長ホルモンの過剰分泌が確認されました。その後、ケトコナゾールとソマトスタチンアナログ（ランレオチド）による治療が開始されました。

治療は長期戦？

3年後、再手術が行われましたが、ACTHや成長ホルモン産生腫瘍は確認されませんでした。その後も成長ホルモンの分泌は正常化せず、コルチゾール分泌も抑制されませんでした。ランレオチドとケトコナゾールの投与は継続され、ケトコナゾールの投与量は増加されました。まるで、砂漠のオアシスを探すように、適切な治療法を探し続ける必要性を感じます。

ラクダ博士の結論

本症例は、クッシング症候群と巨人症が同時に発症し、下垂体腫瘍が小さく、診断が難しい場合があることを示唆しています。また、治療も長期にわたることがあり、適切な薬物療法が重要になります。この症例は、非常に珍しいケースですが、下垂体腫瘍によるホルモンの過剰分泌は、さまざまな症状を引き起こす可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。まるで、砂漠に咲く貴重な花のように、早期発見が大切ですね。