健康な個体におけるブデソニド経口懸濁液とENTOCORT ECのブデソニドの全身曝露を比較するための薬物動態ブリッジング研究

著者: FinkelmanRichard D, LanLan, SongIvy H

原題: A Pharmacokinetic Bridging Study to Compare Systemic Exposure to Budesonide between Budesonide Oral Suspension and ENTOCORT EC in Healthy Individuals.

概要

好酸球性食道炎（EoE）は、食道を侵す慢性炎症性疾患である。ブデソニド口腔懸濁液（BOS）は、EoEの治療のために開発されている新しい薬剤である。BOSは、ブデソニドの粘性で粘膜付着性の製剤であり、食道内に長期間留まるように設計されている。本研究では、BOSからのブデソニドの全身曝露量を、クロトーヌ製剤であるブデソニドのジェラチンカプセル製剤であるENTOCORT ECと比較した。ENTOCORT ECは、クローン病の治療のためにFDA承認されている。本研究では、BOSはENTOCORT ECよりもブデソニドの全身曝露量が少ないことが判明した。これは、BOSはENTOCORT ECよりも、副作用が少ないため、EoEの治療のためのより安全な選択肢となる可能性を示唆している。

論文詳細　

原文の要約 :

Currently, there are no US FDA-approved therapies for eosinophilic esophagitis (EoE). Budesonide oral suspension (BOS; SHP621, TAK-721) is a viscous, muco-adherent, oral formulation of budesonide that is in phase III development for the treatment of EoE. BOS 2 mg twice daily was studied in 12- and 3...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

ブデソニド経口懸濁液とENTOCORT ECの健康な個体におけるブデソニドの全身曝露を比較するための薬物動態架橋研究

薬物療法は、まるで砂漠のオアシスのように、病気の治療に役立ちます。しかし、同じ薬でも、製剤によって体内への吸収され方が異なることがあります。本研究は、ブデソニドという薬剤の2種類の製剤、ブデソニド経口懸濁液とENTOCORT ECの体内への吸収され方を比較しました。ブデソニドは、ステロイド薬の一種で、様々な病気の治療に用いられています。ブデソニド経口懸濁液は、粘性の高い粘膜付着性経口製剤で、食道好酸球性食道炎の治療薬として開発されています。一方、ENTOCORT ECは、ブデソニドのゼラチンカプセル製剤で、クローン病の治療薬として承認されています。

製剤の違いと薬物動態

本研究では、健康なボランティアを対象に、ブデソニド経口懸濁液とENTOCORT ECを投与し、血中のブデソニド濃度を測定しました。その結果、ブデソニド経口懸濁液とENTOCORT ECの血中ブデソニド濃度は、有意な差はありませんでした。このことから、ブデソニド経口懸濁液とENTOCORT ECは、体内への吸収され方が類似していることが示されました。この結果は、ENTOCORT ECの安全性データに基づいて、ブデソニド経口懸濁液の安全性評価を行うことが可能であることを示唆しています。

健康への影響と生活への応用

ブデソニド経口懸濁液は、食道好酸球性食道炎の治療薬として期待されています。本研究の結果は、ブデソニド経口懸濁液の安全性評価に役立つだけでなく、食道好酸球性食道炎の患者さんにとって、より効果的な治療法の開発につながる可能性があります。

ラクダ博士の結論

砂漠の旅には、様々な道があります。薬物療法も、同じ薬でも、製剤によって体内への吸収され方が異なることがあります。本研究は、ブデソニドという薬剤の2種類の製剤の薬物動態を比較し、安全性の評価に役立つ知見を得ました。これからも、様々な研究を通して、患者さんに最適な薬剤を選択できるよう、知識を深めていくことが大切です。