パーキンソン病におけるレボドパゲル注入の集団薬物動態：エンタカポン注入と遺伝子多型の影響

著者: NielsenE I, NyholmD, SenekM

原題: Population pharmacokinetics of levodopa gel infusion in Parkinson's disease: effects of entacapone infusion and genetic polymorphism.

概要

本研究では、進行性パーキンソン病患者におけるレボドパ-エンタカポン-カルビドパ腸管ゲル（LECIG）およびレボドパ-カルビドパ腸管ゲル（LCIG）の持続注入後のレボドパの集団薬物動態を特徴付けました。本研究では、LCIGと同様の薬物暴露を達成するには、LECIGの持続的な維持用量は約35％減らす必要があることを発見しました。

論文詳細　

原文の要約 :

Levodopa-entacapone-carbidopa intestinal gel (LECIG) provides continuous drug delivery through intrajejunal infusion. The aim of this study was to characterize the population pharmacokinetics of levodopa following LECIG and levodopa-carbidopa intestinal gel (LCIG) infusion to investigate suitable tr...掲載元で要旨全文を確認する

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パーキンソン病におけるレボドパゲル注入の集団薬物動態：エンタカポン注入と遺伝子多型の影響

レボドパ・エンタカポン・カルビドパ腸内ゲル(LECIG)は、空腸内注入による持続的な薬物送達を提供します。本研究の目的は、LECIGおよびレボドパ・カルビドパ腸内ゲル(LCIG)注入後のレボドパの集団薬物動態を特徴付けることで、LCIGからLECIG治療への適切な用量変換を調査し、ドパ脱炭酸酵素(DDC)およびカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)遺伝子の一般的な変異がレボドパの薬物動態に与える影響を調べることでした。高度なパーキンソン病患者(n=11)におけるLCIGとLECIGを比較した二重盲検、クロスオーバー試験からの血漿濃度データを使用して、レボドパ薬物動態の非線形混合効果モデルを開発しました。すべての患者は、rs4680(COMT遺伝子の多型)、rs921451およびrs3837091(DDC遺伝子の多型)について遺伝子型判定を受けました。最終モデルは、高い固定吸収速度定数を持つ1コンパートメントモデルと、推定見かけのクリアランス(CL/F)がLCIGでは27.9 L/h/70 kg、LECIGでは17.5 L/h/70 kg、見かけの分布容積が74.4 L/70 kgとなる一次消去を伴うものでした。したがって、私たちの結果は、集団レベルで、LECIGの持続的な維持用量は、LCIGと同様の薬物曝露を達成するために約35％減らす必要があることを示唆しています。エンタカポンによる影響は、COMT rs4680遺伝子型に関係なく、すべての個人で確認されました。DDCおよびCOMT酵素活性の高い個人は、レボドパCL/Fが高い傾向を示しました。LCIG投与へのエンタカポンの同時投与は、レボドパの見かけのクリアランスを36.5％低下させるため、患者のCOMT遺伝子型に関係なく、持続的な維持用量を低くする必要があります。

レボドパゲルの投与量調節

この研究は、レボドパゲルの投与量を調節する必要があることを示しています。特に、エンタカポンを同時投与する場合、レボドパの見かけのクリアランスが低下するため、レボドパの投与量を減らす必要があることが示されました。また、DDCおよびCOMT酵素活性の高い個人は、レボドパCL/Fが高い傾向を示すため、これらの個人は、より多くのレボドパを必要とする可能性があります。

ラクダ博士の結論

ラクダ博士は、この研究は、パーキンソン病の治療におけるレボドパゲルの薬物動態に関する重要な情報を提供していると信じています。この研究は、個々の患者の遺伝子型やエンタカポンなどの同時投与薬の影響を考慮して、レボドパゲルの投与量を調整する必要があることを示しています。ラクダ博士は、この研究は、パーキンソン病の治療のためのより効果的な治療法の開発につながる可能性があると期待しています。