第2相SPRINT-MS研究におけるMRI測定に対するイブディラストの影響

著者: , BermelRobert A, CoffeyChristopher S, FedlerJanel, FoxRobert J, GoebelChristopher, GoodmanAndrew D, KearneyMarianne, KlawiterEric C, KlingnerElizabeth, NaismithRobert T, NakamuraKunio, NarayananSridar, YankeyJon

原題: Effects of Ibudilast on MRI Measures in the Phase 2 SPRINT-MS Study.

概要

喘息の治療に一般的に使用される薬剤であるイブジラストは、進行性の多発性硬化症（MS）患者の新しいまたは拡大するT2病変または新しいT1病変を減少させる効果はなかった。しかし、イブジラストは、灰白質の萎縮の減少に関連していた。これは、イブジラストがMS患者の神経変性過程に関連するマーカーに影響を与える可能性があるが、炎症過程には影響を与えないことを示唆している。

論文詳細　

原文の要約 :

OBJECTIVE: To determine whether ibudilast has an effect on brain volume and new lesions in progressive forms of multiple sclerosis (MS). METHODS: A randomized, placebo-controlled, blinded study evaluated ibudilast at a dose of up to 100 mg over 96 weeks in primary and secondary progressive MS. In t...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

イブジラストのMRIによる評価

イブジラストは、多発性硬化症（MS）の治療薬として開発が進められています。この研究は、進行性のMSに対するイブジラストの効果を評価するために、SPRINT-MS試験のフェーズ2のデータを用いて、脳の体積や新たな病変への影響をMRIで調べたものです。その結果、イブジラストは、プラセボと比較して、灰白質の萎縮を抑制する効果を示しましたが、新たなT2病変や新たなT1病変の発生を抑制する効果は認められませんでした。

イブジラストの多発性硬化症への効果

この研究は、イブジラストが、進行性のMSにおける灰白質の萎縮を抑制する効果を示唆しています。まるで砂漠のラクダが、厳しい日差しから身を守るために、日陰を求めて歩くように、イブジラストは、進行性のMSによって進む脳の萎縮を抑制するかもしれません。しかし、イブジラストは、新たな病変の発生を抑制する効果は認められませんでした。このことから、イブジラストは、炎症を抑える効果よりも、神経保護効果を持つ可能性が示唆されます。

多発性硬化症の治療と研究

多発性硬化症は、神経細胞が破壊されることで、様々な症状を引き起こす病気です。この研究は、イブジラストが、進行性のMSにおける神経保護効果を示唆しています。多発性硬化症の治療には、様々な薬物療法やリハビリテーションが用いられています。この研究は、イブジラストの新たな可能性を示し、今後の多発性硬化症の治療研究に役立つことが期待されます。

ラクダ博士の結論

この研究は、イブジラストが、進行性のMSにおける灰白質の萎縮を抑制する効果を示唆しています。ラクダ博士も、多発性硬化症の治療研究が進展していることを嬉しく思います。まるで砂漠のオアシスのように、イブジラストは、多発性硬化症の患者さんの希望となるかもしれません。しかし、多発性硬化症は、まだ完治する治療法は見つかっていません。私たちは、この研究結果を参考に、さらなる研究を進め、多発性硬化症の治療法の開発に貢献していく必要があります。