健康な男性における、混合栄養ドリンクに対する血漿グルコース応答に対する、キニーネの胃内および十二指腸内投与の比較

著者: BitarafanVida, Feinle-BissetChristine, FitzgeraldPenelope C E, HorowitzMichael, RezaiePeyman, RoseBraden D

原題: Comparative Effects of Intragastric and Intraduodenal Administration of Quinine on the Plasma Glucose Response to a Mixed-Nutrient Drink in Healthy Men: Relations with Glucoregulatory Hormones and Gastric Emptying.

概要

キニーネなどの苦味成分は、食後の血糖値にとって重要な、血糖調節ホルモンを刺激し、胃の排泄を遅くします。本研究は、食後血糖値を低下させるための消化器機能の刺激には、経口投与よりも十二指腸内（ID）投与の方が効果的である可能性を示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

In preclinical studies, bitter compounds, including quinine, stimulate secretion of glucoregulatory hormones [e.g., glucagon-like peptide-1 (GLP-1)] and slow gastric emptying, both key determinants of postprandial glycemia. A greater density of bitter-taste receptors has been reported in the duodenu...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

キニーネの胃内投与と十二指腸内投与の比較

キニーネなどの苦味成分は、前臨床試験において、グルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1) などの血糖調節ホルモンの分泌を刺激し、胃の排泄を遅らせることが示されています。これらの効果は、食後の血糖値を調節する上で重要な役割を果たします。また、苦味受容体は、胃よりも十二指腸に多く存在することが報告されています。

本研究では、健康な男性を対象に、キニーネを胃内 (IG) 投与と十二指腸内 (ID) 投与した場合の、混合栄養ドリンク摂取後の血漿グルコース応答を比較しました。さらに、血糖調節ホルモンと胃の排泄との関連についても調べました。

十二指腸内投与の利点

この研究では、キニーネの ID 投与は、IG 投与と比較して、食後の血糖値の上昇を抑制し、GLP-1 の分泌を促進し、胃の排泄を遅らせることが示されました。これらの結果は、ID 投与が、食後の血糖値をより効果的に調節するための有望な方法であることを示唆しています。

ラクダ博士の結論

この研究は、キニーネの投与部位が、食後の血糖値調節に影響を与える可能性を示唆しています。ラクダ博士は、この研究は、糖尿病などの代謝疾患の治療に役立つ、新たな知見を提供していると確信しています。砂漠の動物は、限られた水資源を効率的に利用するために、様々な工夫を凝らしています。この研究のように、人間の体も、様々なメカニズムによって、食後の血糖値を調節しているのです。