静脈アクセスデバイスを必要とする患者の抗血栓療法と出血性疾患の管理：系統的レビューとGAVeCeLTコンセンサスステートメント

著者: AnnettaMaria Giuseppina, BertoglioSergio, BiffiRoberto, BresciaFabrizio, GiarrettaIgor, GrecaAntonio La, PanocchiaNicola, PassaroGiovanna, PernaFrancesco, PinelliFulvio, PittirutiMauro, PriscoDomenico, SannaTommaso, ScoppettuoloGiancarlo

原題: Management of antithrombotic treatment and bleeding disorders in patients requiring venous access devices: A systematic review and a GAVeCeLT consensus statement.

概要

イタリア静脈アクセスデバイスグループ（GAVeCeLT）は、静脈アクセスデバイス（VAD）を必要とする患者における抗血栓療法と出血性疾患の管理に関するコンセンサスを策定した。コンセンサスでは、出血リスクに基づいたVAD関連手順の分類を推奨し、出血性疾患を持つ患者と、抗血栓療法を受けているVAD挿入/抜去を必要とする患者に対する適切な管理について概説している。これらの推奨事項は、臨床診療に容易に翻訳できる明確で総合的なリストを提供することを目的としている。

論文詳細　

原文の要約 :

Insertion of venous access devices (VAD) is usually considered a procedure with low risk of bleeding. Nonetheless, insertion of some devices is invasive enough to be associated with bleeding, especially in patients with previous coagulopathy or in treatment with antithrombotic drugs for cardiovascul...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

静脈アクセスデバイス関連の出血リスクに関する新たなガイドライン

静脈アクセスデバイス（VAD）は、医療現場で広く利用されている重要なツールですが、挿入時に出血のリスクを伴うことがあります。特に、凝固障害のある患者や心臓病の治療に抗血栓薬を服用している患者では、出血のリスクが高まります。従来のガイドラインでは、これらの患者に対するVAD挿入時の適切な管理について、十分なエビデンスに基づいていませんでした。そこで、イタリアの静脈アクセスデバイスグループ（GAVeCeLT）は、VAD関連の手技における出血リスクの分類、凝固障害のある患者に対するVAD挿入・抜去の管理、抗血栓薬を服用している患者に対するVAD挿入・抜去の管理など、様々な側面を網羅した新しいガイドラインを策定しました。

患者さんの安全を守るための具体的な対策

ガイドラインでは、VAD関連の手技における出血リスクの分類、凝固障害のある患者に対するVAD挿入・抜去の管理、抗血栓薬を服用している患者に対するVAD挿入・抜去の管理など、具体的な対策が示されています。例えば、凝固障害のある患者に対しては、VAD挿入前に適切な血液凝固検査を行い、必要に応じて血液凝固因子製剤を投与することが推奨されています。また、抗血栓薬を服用している患者に対しては、VAD挿入前に抗血栓薬の中止を検討する必要がある場合もあります。これらの対策を適切に実施することで、患者さんの安全性を高めることができます。

ラクダ博士の結論

VAD挿入に伴う出血のリスクは、患者さんの状態によって異なります。このガイドラインは、最新のエビデンスに基づいて作成され、VAD関連の手技における出血のリスクを最小限に抑え、患者さんの安全性を高めるために役立ちます。医療従事者は、このガイドラインを参考に、患者さんにとって最適な治療を提供することが大切です。