治療抵抗性統合失調症における、急性期電気けいれん療法と維持期電気けいれん療法をクロザピンと比較した精神病理学と局所脳血流への影響：無作為化比較試験

著者: AgrawalKanhaiyalal, BiswasTathagata, MaitiRituparna, MishraBiswa Ranjan, MohapatraDebadatta, NathSantanu

原題: Comparison of Acute Followed by Maintenance ECT vs Clozapine on Psychopathology and Regional Cerebral Blood Flow in Treatment-Resistant Schizophrenia: A Randomized Controlled Trial.

概要

このオープンラベル試験は、治療抵抗性精神分裂病（TRS）の治療における維持電気けいれん療法（M-ECT）とクロザピンの有効性を比較した。60人のTRS患者をランダムにM-ECT群とクロザピン群に割り当てた。M-ECTは、陽性症状と陰性症状の軽減、全体的な機能の改善、局所脳血流の増加において、より高い有効性を示した。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND AND HYPOTHESIS: In treatment-resistant schizophrenia (TRS), Clozapine is only approved treatment with undesirable side-effects, warranting better alternatives. Our hypothesis is acute followed by maintenance Electroconvulsive Therapy (M-ECT) will be comparable in efficacy and safety to Cl...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

治療抵抗性統合失調症への新たな治療アプローチ：電気けいれん療法の効果を探る

治療抵抗性統合失調症（TRS）は、従来の治療法では効果が得られない深刻な精神疾患なんだ。これまで、クロザピンが唯一の承認された治療法だったが、副作用が懸念されていた。そこで、この研究では、急性期の電気けいれん療法（ECT）に続いて維持期ECT（M-ECT）を行う方法が、TRSの治療に有効かどうかを調べたんだ。その結果、M-ECTはクロザピンと比べて、陽性症状と陰性症状、全体的な精神病理、疾患の重症度を効果的に軽減し、生活機能を改善することがわかったんだ。

脳活動の変化：電気けいれん療法がもたらす効果

M-ECTを受けた患者では、前頭葉と側頭葉の脳血流が有意に改善したんだ。これは、M-ECTが脳の活動を活性化し、精神症状を改善していることを示唆している。さらに、M-ECTでは、陽性症状の改善と左側の側頭葉の脳血流の改善との間に正の相関関係が見られた。これは、M-ECTによる脳血流の改善が、精神症状の改善に貢献している可能性を示しているんだ。

電気けいれん療法：新たな治療の可能性

この研究は、M-ECTがTRSの治療に有効な方法であることを示唆している。しかし、M-ECTは副作用のリスクもあるため、患者さんの状態や状況に合わせて慎重に検討する必要があるんだ。M-ECT以外にも、新たな治療法の開発が進められており、今後TRSの治療はさらに進化していくことが期待されるんだ。

ラクダ博士の結論

脳は、砂漠の蜃気楼のように、解明されていない謎が多い。電気けいれん療法という手段を用いることで、治療抵抗性統合失調症の脳の活動に変化が見られることがわかったんだ。これは、脳の謎を解き明かすための重要な一歩と言えるだろう。今後、電気けいれん療法の効果をさらに研究することで、治療抵抗性統合失調症の患者さんを救う新たな治療法の開発に繋がると期待しているよ！