多発性硬化症のデンマークの女性における、胎児の初期における、注射可能な初回治療薬であるジメチルフマル酸塩またはナタリズマブへの曝露後の妊娠転帰

著者: AndersenJohanna Balslev, MagyariMelinda, SellebjergFinn

原題: Pregnancy outcomes after early fetal exposure to injectable first-line treatments, dimethyl fumarate, or natalizumab in Danish women with multiple sclerosis.

概要

本研究では、多発性硬化症の治療に使用される疾患修飾薬（DMDs）への胎児曝露と妊娠転帰不良との関連を調査した。DMDsに曝露した新生児とDMDsに曝露していない妊娠または一般集団と比較して、妊娠転帰不良のリスクが上昇する関連は見られなかった。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND AND PURPOSE: Data on pregnancy outcomes following fetal exposure to disease-modifying drugs (DMDs) in women with multiple sclerosis (MS) are sparse although growing. METHODS: Data from the Danish Multiple Sclerosis Registry were linked with nationwide registries enabling an investigation...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

デンマークの多発性硬化症の女性における、第一選択薬である注射可能な薬剤であるジメチルフマレートまたはナタリズマブへの胎児の早期暴露後の妊娠転帰

多発性硬化症（MS）の女性における妊娠転帰に関するデータは、疾患修飾薬（DMD）への胎児暴露に関するデータは限られていますが、増加しています。 ## 多発性硬化症の治療薬と妊娠転帰本研究では、デンマークの多発性硬化症レジストリから得られたデータを、全国的なレジストリとリンクさせ、注射可能な第一選択薬であるジメチルフマレート、グラチラマー酢酸塩、またはナタリズマブへの胎児暴露後のMS女性の新生児における妊娠転帰の悪化を調査しました。クラスタ化されたデータを考慮したロジスティック回帰モデルを使用して、関連する共変量を調整した後の個々の悪化と複合的な悪化のオッズ比（OR）を95％信頼区間（CI）とともに推定しました。 ## DMDへの胎児暴露と妊娠転帰新生児における胎児暴露と一般集団との比較において、いずれの周産期転帰の増加リスクも認められませんでした。これには、早産（OR = 1.19、95％CI = 0.86-1.64）、妊娠週数に比べて小さい（OR = 1.38、95％CI = 0.92-2.07）、自然流産（OR = 1.04、95％CI = 0.84-1.27）、先天性奇形（OR = 0.99、95％CI = 0.68-1.45）、アプガースコアが低い（OR = 0.62、95％CI = 0.23-1.65）、死産（OR = 1.05、95％CI = 0.33-3.31）、胎盤合併症（OR = 0.53、95％CI = 0.22-1.27）、およびいずれかの有害事象（OR = 1.10、95％CI = 0.93-1.30）が含まれます。DMD暴露妊娠とDMD非暴露妊娠を比較した場合も同様の結果が得られました。 ## ラクダ博士の結論砂漠の厳しい環境のように、MSの女性にとって妊娠は挑戦的な状況です。しかし、本研究は、DMDへの胎児暴露が妊娠転帰に悪影響を与えないことを示唆しています。これは、MS患者の女性にとって希望の光となります。