マウスにおける、ジフェンヒドラミンとコリンエステラーゼ阻害剤の相互作用

著者: Abdul-LatifA R, Al-KassimN A, MohammadF K

原題: Interaction of diphenhydramine with cholinesterase inhibitors in mice.

概要

ジフェンヒドラミンは、抗コリン作用薬であり、コリンエステラーゼ阻害薬であるフィゾスチグミンとネオスチグミンによって引き起こされる死亡からマウスを保護した。

論文詳細　

原文の要約 :

Physostigmine (1.5 mg/kg, s.c.) and neostigmine (1.0 mg/kg, s.c.) injection into male mice produced signs of toxicosis characteristic of cholinesterase inhibition and evoked death in 95 and 94% of the animals respectively. Diphenhydramine injections (5-30 mg/kg, s.c.) 15 min before physostigmine or ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

ジフェンヒドラミンはコリンエステラーゼ阻害薬の毒性を弱める？

薬理学の分野では、薬物の相互作用を理解することは、安全な薬物療法を行う上で非常に重要です。本研究は、ジフェンヒドラミンがコリンエステラーゼ阻害薬であるフィゾスチグミンやネオスチグミンの毒性を軽減する効果があるかどうかをマウスを用いて調査しました。実験の結果、ジフェンヒドラミンはフィゾスチグミンやネオスチグミンによる死亡率を低下させ、生存時間を延長することが明らかになりました。これは、ジフェンヒドラミンが抗コリン作用を有しており、コリンエステラーゼ阻害薬の毒性を阻害したと考えられます。

ジフェンヒドラミンはコリンエステラーゼ阻害薬の毒性に対して効果を発揮！

ジフェンヒドラミンは、アレルギー症状の治療薬としてよく知られています。しかし、この研究では、ジフェンヒドラミンがコリンエステラーゼ阻害薬の毒性に対する保護効果を持つことが示されました。具体的には、ジフェンヒドラミンを投与したマウスは、フィゾスチグミンやネオスチグミンによる死亡率が有意に低下しました。これは、ジフェンヒドラミンがコリンエステラーゼ阻害薬によって引き起こされる神経系の異常な興奮を抑える効果があるためと考えられます。

ジフェンヒドラミンとコリンエステラーゼ阻害薬を併用する際は注意が必要！

コリンエステラーゼ阻害薬は、神経伝達物質であるアセチルコリンの分解を阻害することで、神経系の興奮性を高めます。そのため、コリンエステラーゼ阻害薬を服用している患者さんは、ジフェンヒドラミンなどの抗コリン作用を持つ薬剤との併用には注意が必要です。ジフェンヒドラミンは、コリンエステラーゼ阻害薬の毒性を軽減する効果がある一方、併用することで副作用のリスクが高まる可能性もあります。コリンエステラーゼ阻害薬を服用している方は、医師に相談し、適切な薬剤の使用について指示を受けることが重要です。

ラクダ博士の結論

薬の組み合わせは、まるで砂漠のオアシスのように、時には予想外の効果をもたらすことがあります。しかし、注意深く観察しないと、思わぬ危険を伴うことも。ジフェンヒドラミンは、コリンエステラーゼ阻害薬の毒性を弱める効果がある一方で、併用には注意が必要なのです。薬の服用は、専門家の指導のもと、安全に行いましょう！