フルオロキノロンの使用開始と自殺念慮による入院または救急外来受診との関連：人口ベースのコホート研究

著者: BykovKatsiaryna, FischerMichael A, GagneJoshua J, Kattinakere-SreedharaSushama, WangJunyi

原題: Association between initiation of fluoroquinolones and hospital admission or emergency department visit for suicidality: population based cohort study.

概要

本集団ベースのコホート研究では、フルオロキノロンの開始と、自殺念慮による入院または救急室受診との関連を評価した。本研究では、フルオロキノロンの開始後に、アジスロマイシンまたはトリメトプリム-スルファメトキサゾールと比較して、自殺念慮による入院または救急室受診のリスクが大幅に上昇することはなかった。

論文詳細　

原文の要約 :

OBJECTIVE: To evaluate the association between initiation of fluoroquinolones and hospital admission or emergency department visit for suicidality. DESIGN: Population based cohort study. SETTING: IBM MarketScan database, USA. PARTICIPANTS: 2 756 268 adults (≥18 years) who initiated an oral fluoro...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

フロロキノロン系抗生物質と自殺念慮の関連性：集団ベースの研究

フロロキノロン系抗生物質は、様々な細菌感染症の治療に用いられる薬剤です。しかし、近年、フロロキノロン系抗生物質の服用と自殺念慮の関連性が報告されています。本研究では、フロロキノロン系抗生物質の服用が、自殺念慮や自傷行為による入院や救急外来受診のリスクを高めるかどうかを調査しました。

研究の結果、フロロキノロン系抗生物質を服用した人では、アジスロマイシンやトリメトプリム・スルファメトキサゾールを服用した人よりも、自殺念慮や自傷行為による入院や救急外来受診のリスクが高まるという証拠は見つかりませんでした。

フロロキノロン系抗生物質の安全性：今後の研究

フロロキノロン系抗生物質の安全性については、さらなる研究が必要です。本研究では、自殺念慮や自傷行為のリスクは高まらないという結果が得られました。しかし、他の精神的な副作用や、長期的な影響については、まだ十分な調査がされていません。フロロキノロン系抗生物質を服用する際には、医師と相談し、適切な情報を得ることが重要です。

ラクダ博士の結論

砂漠では、一見安全に見える場所にも、危険が潜んでいることがあります。フロロキノロン系抗生物質も、使い方次第では、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。この研究は、フロロキノロン系抗生物質が自殺念慮に直接的な影響を与えないことを示しましたが、薬の使用には注意が必要です。医師と相談し、安心して薬を服用できるようにしましょう。