膝または股関節の変形性関節症に対する運動療法と経口非ステロイド性抗炎症薬およびパラセタモールの比較有効性：ランダム化比較試験のネットワークメタ分析

著者: DohertyMichael, GohSiew-Li, HallMichelle, JiangTing, LeiGuanghua, LiXiaoxiao, PerssonMonica S M, SarmanovaAliya, WeiJie, WengQianlin, WuJing, ZengChao, ZhangWeiya

原題: Comparative efficacy of exercise therapy and oral non-steroidal anti-inflammatory drugs and paracetamol for knee or hip osteoarthritis: a network meta-analysis of randomised controlled trials.

概要

本ネットワークメタ分析は、膝または股関節の変形性関節症（OA）に対する運動療法を、経口非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）およびパラセタモールと比較した。その結果、運動は、NSAIDsおよびパラセタモールと比較して、疼痛および機能に対する同様の効果を示すことがわかった。運動は安全性のプロファイルが優れているため、著者らは、特にNSAIDsおよびパラセタモールによる有害事象のリスクが高い高齢者において、OAの臨床ケアで運動を重視することを推奨している。

論文詳細　

原文の要約 :

OBJECTIVE: Clinical guidelines recommend exercise as a core treatment for knee or hip osteoarthritis (OA). However, how its analgesic effect compares to analgesics, for example, oral non-steroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs) and paracetamol-the most commonly used analgesics for OA, remains unkn...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

膝または股関節の変形性関節症に対する運動療法と経口非ステロイド系抗炎症薬およびパラセタモールの比較効果

膝または股関節の変形性関節症（OA）の治療において、運動療法は重要な選択肢として推奨されています。しかし、運動療法の鎮痛効果が、OAの治療に最も一般的に使用される鎮痛薬である経口非ステロイド系抗炎症薬（NSAIDs）やパラセタモールと比べてどの程度なのかは、依然として不明です。本研究は、膝または股関節のOAに対する運動療法と経口NSAIDsおよびパラセタモールの比較効果をネットワークメタ分析で評価したものです。この研究は、運動療法と経口NSAIDsおよびパラセタモールの鎮痛効果と機能改善効果を比較し、OA患者の治療における最適な選択肢を明らかにする重要な知見を提供しています。

運動療法は、経口NSAIDsおよびパラセタモールと比較して、膝または股関節のOAに対する鎮痛効果と機能改善効果が同等である

本研究では、ネットワークメタ分析の結果、運動療法は、経口NSAIDsおよびパラセタモールと比較して、4週間、8週間、24週間における膝または股関節のOAに対する鎮痛効果と機能改善効果が同等であることが示されました。この結果は、運動療法が経口NSAIDsおよびパラセタモールと同等の効果を持つことを示唆しています。

運動療法は、膝または股関節のOAの治療における安全で有効な選択肢

運動療法は、経口NSAIDsおよびパラセタモールに比べて副作用のリスクが低く、安全な治療法です。本研究の結果は、運動療法が、特に高齢者やNSAIDsおよびパラセタモールの副作用のリスクが高い患者にとって、膝または股関節のOAの治療における安全で有効な選択肢となることを示唆しています。

ラクダ博士の結論

OAの治療は、砂漠の旅の途中で足が痛むようなものです。NSAIDsやパラセタモールは、痛みを和らげるための薬のように、一時的な効果をもたらしますが、副作用のリスクも伴います。運動療法は、砂漠の旅の途中で出会うオアシスのようなものです。副作用のリスクが少なく、持続的な効果が期待できます。OAの治療には、運動療法を積極的に取り入れることが重要です。