進行した甲状腺がんの患者の、レナリニブの副作用に対する、多キナーゼ阻害剤代謝に関連する多型の影響に関するパイロット研究

著者: BrilliLucia, CantaraSilvia, CastagnaMaria Grazia, DalmiglioCristina, MainoFabio, MarzocchiCarlotta, SagnellaAlfonso, TrimarchiAndrea, ValerioLaura

原題: Pilot Study on the Impact of Polymorphisms Linked to Multi-Kinase Inhibitor Metabolism on Lenvatinib Side Effects in Patients with Advanced Thyroid Cancer.

概要

マルチキナーゼ阻害剤（MKI）は、進行した甲状腺癌の治療に不可欠である。本研究では、MKIであるレンバチニブの遺伝子多型と副作用の関係を調査した。特定の遺伝子型は、高血圧、体重減少、粘膜炎などの特定の副作用のリスク増加に関連していた。

論文詳細　

原文の要約 :

Multi-kinase inhibitors (MKIs) represent the best therapeutic option in advanced thyroid cancer patients. The therapeutic efficacy and toxicity of MKIs are very heterogeneous and are difficult to predict before starting treatment. Moreover, due to the development of severe adverse events, it is nece...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

マルチキナーゼ阻害剤の副作用に対する遺伝子多型の影響

マルチキナーゼ阻害剤（MKI）は、進行性甲状腺がん患者のための最良の治療選択肢です。本研究は、薬物代謝に関わる遺伝子多型が、レンバチニブの副作用に与える影響を検討したものです。

遺伝子多型はレンバチニブの副作用に影響

研究者は、レンバチニブ治療を受けている18人の進行性甲状腺がん患者において、薬物の吸収と排泄に関わる遺伝子（CYP3A4、CYP3A5、ABCB1、ABCG2）の遺伝子多型を解析しました。その結果、CYP3A4遺伝子のrs2242480のGG遺伝子型とCYP3A5遺伝子のrs776746のCC遺伝子型は、高血圧と関連していることがわかりました。また、ABCB1遺伝子のrs1045642とrs2235048のヘテロ接合型は、体重減少の程度が高いことと関連していました。さらに、ABCG2遺伝子のrs2231142は、粘膜炎と口腔乾燥の程度が高いことと関連していました。

遺伝子多型に基づいた個別化治療の可能性

この研究の結果は、レンバチニブの副作用が、遺伝子多型によって異なる可能性を示唆しています。レンバチニブ治療を開始する前に、患者の遺伝子型を評価することで、副作用を予測し、患者の管理を改善できる可能性があります。遺伝子多型に基づいた個別化治療は、副作用のリスクを最小限に抑え、治療効果を最大限に引き出すための重要な戦略となります。

ラクダ博士の結論

この研究は、遺伝子多型が、レンバチニブの副作用に影響を与える可能性を示唆しています。レンバチニブ治療を開始する前に、患者の遺伝子型を評価することで、副作用を予測し、患者の管理を改善できる可能性があります。遺伝子多型に基づいた個別化治療は、副作用のリスクを最小限に抑え、治療効果を最大限に引き出すための重要な戦略となります。