ヒト免疫不全ウイルスの患者における梅毒の治療のための、アモキシシリン3000 mgとプロベネシド併用療法対アモキシシリン1500 mg単独療法：オープンラベル、ランダム化、対照、非劣性試験

著者: AndoNaokatsu, AokiTakahiro, GatanagaHiroyuki, HiramotoSaori, InamuraNatsumi, KikuchiYoshimi, MizushimaDaisuke, NemotoTakashi, OkaShinichi, OmataKazumi, ShiojiriDaisuke, TakanoMisao, TanumaJunko, TeruyaKatsuji, UemuraHaruka, WatanabeKoji, YanagawaYasuaki

原題: Combination of Amoxicillin 3000 mg and Probenecid Versus 1500 mg Amoxicillin Monotherapy for Treating Syphilis in Patients With Human Immunodeficiency Virus: An Open-Label, Randomized, Controlled, Non-Inferiority Trial.

概要

この無作為化比較試験では、ヒト免疫不全ウイルス（HIV）感染症患者における梅毒の治療において、1500mgの低用量アモキシシリン単独療法と3000mgのアモキシシリンとプロベネシッドの併用療法を比較した。この研究では、アモキシシリンベースのレジメンは、HIV感染症患者における梅毒の治療に効果的であることがわかった。この研究では、低用量アモキシシリンと併用レジメンの両方で、12か月以内の血清学的治癒率が高いことがわかった。有意な副作用は認められなかった。低用量アモキシシリンは、全体的および早期梅毒において、アモキシシリンとプロベネシッドの併用療法に劣らないことが確認されなかった。したがって、アモキシシリン単独療法は、筋肉内ベンザチンペニシリンGに代わる有効な選択肢となり得る。ただし、さまざまな集団におけるベンザチンペニシリンGとの比較、およびサンプルサイズが大きい研究が必要である。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: Amoxicillin plus probenecid is an alternative to intramuscular benzathine penicillin G for treating syphilis in the United Kingdom. Low-dose amoxicillin is an alternative treatment option used in Japan. METHODS: We conducted an open-label, randomized, controlled, non-inferiority trial b...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

HIV感染者の梅毒治療における新たな選択肢

HIV感染者の梅毒治療は、従来、筋肉注射によるベンザチン・ペニシリンGが標準治療でした。しかし、筋肉注射は患者にとって負担が大きく、近年では、経口薬による治療が求められています。本研究では、HIV感染者の梅毒治療において、経口アモキシシリン3000mgとプロベネシドの併用療法が、アモキシシリン1500mg単独療法に比べて有効かどうかを検討しました。

経口アモキシシリン3000mgとプロベネシドの併用療法は、単独療法と同等に有効

研究の結果、経口アモキシシリン3000mgとプロベネシドの併用療法は、アモキシシリン1500mg単独療法と同等に有効であることが明らかになりました。また、両治療法ともに、重篤な副作用は認められませんでした。このことから、HIV感染者の梅毒治療において、経口アモキシシリン3000mgとプロベネシドの併用療法は、有効で安全な選択肢となりえます。

HIV感染者の梅毒治療における新たな選択肢

HIV感染者の梅毒治療は、従来、筋肉注射によるベンザチン・ペニシリンGが標準治療でしたが、近年では、経口薬による治療が求められています。本研究の結果は、経口アモキシシリン3000mgとプロベネシドの併用療法が、有効で安全な選択肢となりえることを示唆しています。ラクダ博士は、砂漠の旅で、様々な薬草の効果を研究してきました。HIV感染者の梅毒治療も、砂漠のオアシスを探すように、新たな治療法の開発が進められています。