抗認知症薬に関連する有害薬物事象のプロファイル：自発的報告データベースの分析

著者: AndoA, EnomotoH, KoseE, TateN, YamamotoT, YasunoN

原題: Adverse Drug Event Profile Associated with Anti-dementia Drugs: Analysis of a Spontaneous Reporting Database.

概要

本研究では、日本の有害事象報告（JADER）データベースのデータを分析して、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンの4つの抗認知症薬に関連する有害事象（ADE）のプロファイルを比較した。その結果、薬剤間でADEの発生率に有意差があり、特に徐脈、意識喪失、転倒、失神などの事象で差が見られた。ドネペジルはADEの発症が最も遅く、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンの発症時間は類似していた。

論文詳細　

原文の要約 :

Adverse drug events (ADEs) rates associated with anti-dementia acetylcholinesterase inhibitors are estimated to be 5%-20% and show a wide range of symptoms. No report has examined whether there is a difference in the anti-dementia drugs' ADEs profile. This study aimed to establish whether anti-demen...掲載元で要旨全文を確認する

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抗認知症薬に関連する有害事象プロファイル：自発的報告データベースの分析

抗認知症薬のアセチルコリンエステラーゼ阻害剤に関連する有害事象（ADE）の発生率は、5%から20%と推定されており、症状は多岐にわたります。抗認知症薬のADEプロファイルに違いがあるかどうかを調べた報告はありません。本研究は、抗認知症薬のADEプロファイルが異なるかどうかを明らかにすることを目的としていました。データは、日本の有害事象報告データベース（JADER）に基づいていました。報告オッズ比（ROR）を使用して、2004年4月から2021年10月までのADEに関するデータを分析しました。対象薬は、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンでした。最も頻繁に発生する有害事象の上位10件を選択しました。RORと抗認知症薬ADEの関連性を評価し、ADEと各ADEの発症時期に関連する発現年齢の分布率を比較しました。主要なアウトカムはRORでした。副次的なアウトカムは、抗認知症薬に関連するADEの発現年齢と発症までの時間でした。合計705,294件の報告を分析しました。有害事象の発生率は異なっていました。徐脈、意識喪失、転倒、失神は有意に異なっていました。累積ADE発生率に対するKaplan-Meier曲線の結果は、ドネペジルが最も発症が遅く、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンは発症時期がほぼ同じであったことを示しました。

抗認知症薬の副作用：薬剤ごとに違いがある

この研究は、抗認知症薬の副作用が薬剤ごとに異なることを示唆しています。ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、メマンチンはそれぞれ異なる副作用のリスクがあり、患者にとって適切な薬剤を選択することが重要になります。医療従事者は、患者一人ひとりの状況を考慮し、副作用のリスクとベネフィットを比較検討して、最適な治療法を選択する必要があります。

ラクダ博士の結論

抗認知症薬は、まるで砂漠の旅に必要な地図のように、認知機能の維持に役立ちます。しかし、地図には必ず誤りがあるように、薬剤にも副作用のリスクが伴います。この研究は、抗認知症薬の副作用に関する重要な情報を提供し、より安全な薬物療法の実現に貢献するでしょう。医療従事者は、患者に対して適切な情報提供を行い、副作用のリスクを最小限に抑えるよう努める必要があります。