てんかん患者の「抗けいれん作用」のあるビタミンD？対照パイロット研究

著者: ChristiansenC, RodbroP, SjöO

原題: "Anticonvulsant action" of vitamin D in epileptic patients? A controlled pilot study.

概要

てんかんの患者23人を対象とした研究では、ビタミンD治療は、プラセボと比べて、発作の頻度を軽減させた。血清カルシウム値やマグネシウム値に変化はなかった。この研究は、ビタミンDは、てんかんの患者における発作の予防に有益な可能性があると示唆している。

論文詳細　

原文の要約 :

The frequency of epileptic seizures was observed in a controlled therapeutic trial on 23 epileptic inpatients before and after treatment with vitamin D(2) or placebo in addition to anticonvulsant drugs. The number of seizures was reduced during treatment with vitamin D(2) but not with placebo. The e...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

ビタミンD、てんかんに効く？

てんかんは、脳の神経細胞の異常な興奮によって起こる病気です。てんかんの治療には、抗てんかん薬が用いられますが、一部の患者さんでは、薬の効果が十分に得られない場合があります。近年、ビタミンDがてんかんの治療に有効である可能性が注目されています。ビタミンDは、カルシウムの吸収を促進する働きがあり、骨の健康に重要な役割を果たしています。しかし、ビタミンDは、神経細胞の活動にも影響を与える可能性があり、てんかんの治療に役立つ可能性が示唆されています。

ビタミンD、てんかん発作を減らす？

この研究では、てんかん患者を対象に、ビタミンDまたはプラセボを投与し、てんかん発作の頻度を比較しました。その結果、ビタミンDを投与したグループでは、てんかん発作の頻度が減少することが明らかになりました。この研究では、ビタミンDの投与が、てんかん発作の抑制に効果的である可能性を示唆しています。しかし、この研究は、小規模なパイロット研究であり、さらなる研究が必要となります。

ビタミンD不足は要注意！

ビタミンDは、太陽光を浴びることで体内で生成されます。しかし、日照時間が短い地域や、屋内にいる時間が長い人、高齢者などは、ビタミンDが不足しがちです。ビタミンDが不足すると、骨粗鬆症や骨折のリスクが高まります。また、てんかん発作の頻度が増加する可能性も指摘されています。そのため、ビタミンDの摂取量に注意し、不足している場合は、サプリメントなどを活用して補うことが大切です。

ラクダ博士の結論

ビタミンDは、砂漠の厳しい環境でも生きるラクダにとって重要な栄養素です。ビタミンDは、骨の健康だけでなく、神経細胞の活動にも影響を与える可能性があります。この研究では、ビタミンDがてんかん発作を抑制する可能性を示唆しています。しかし、さらなる研究が必要です。ビタミンDは、太陽光を浴びることで体内で生成されますが、現代人は日照時間が短くなりがちです。そのため、ビタミンDの摂取量に注意し、不足している場合は、サプリメントなどで補うことをおすすめします。