ヒトにおける、セファレキシン、エリスロマイシン、およびクリンダマイシンの、好気性グラム陰性糞便叢への影響.

著者: ClementsH M, HartleyC L, LintonK B

原題: Effects of cephalexin, erythromycin and clindamycin on the aerobic Gram-negative faecal flora in man.

概要

セファレキシン、クリンダマイシン、エリスロマイシンを経口投与すると、グラム陰性好気性糞便細菌叢の組成が有意に変化することがわかりました。セファレキシンはグラム陰性菌に対する耐性を引き起こし、エリスロマイシンはコリ菌叢を減少させ、クリンダマイシンはコリ菌数を増加させました。

論文詳細　

原文の要約 :

The effects of 5-day courses of orally administered cephalexin, clindamycin and erythromycin on the Gram-negative, aerobic faecal flora of healthy adults were examined. The concentration of cephalexin reached in the intestine was high enough to cause the emergence of resistant Gram-negative bacteria...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

ヒトにおけるセファレキシン、エリスロマイシン、クリンダマイシンが好気性グラム陰性菌叢に及ぼす影響

本研究では、健康な成人の好気性グラム陰性菌叢に対する、経口投与されたセファレキシン、クリンダマイシン、エリスロマイシンによる5日間の治療の効果を調べました。

腸管内に到達したセファレキシン濃度は、耐性グラム陰性菌が出現するのに十分なほど高濃度であり、腸球菌属、シトロバクター属、シュードモナス属に属する菌は、容易に検出可能なレベルまで増加しました。エリスロマイシンは糞便中に高濃度で存在し、大腸菌群を大幅に減少させました。クリンダマイシン投与により、大腸菌群の数はかなり増加し、クレブシエラ属の割合の増加が特に顕著でした。

抗生物質の使用による腸内細菌叢への影響

抗生物質の使用は、腸内細菌叢に大きな影響を与える可能性があります。本研究では、セファレキシン、エリスロマイシン、クリンダマイシンが、それぞれ異なるメカニズムで、腸内細菌叢に影響を与えることが示されました。ラクダ博士も、砂漠の過酷な環境では、腸内細菌叢のバランスが崩れると、体調を崩してしまうことがあります。抗生物質の使用は、慎重に行う必要があります。