鎌状赤血球症の子供のペニシリン予防の中止。予防的ペニシリン研究II

著者: BuchananG R, FallettaJ M, HolbrookC T, IyerR V, KinneyT R, MillerS T, PegelowC H, VerterJ I, VichinskyE, WoodsG M

原題: Discontinuing penicillin prophylaxis in children with sickle cell anemia. Prophylactic Penicillin Study II.

概要

鎌状赤血球症で、過去に重度の肺炎感染症や脾臓摘出術を経験しておらず、包括的なケアを受けている子供は、5歳で予防的ペニシリン療法を安全に中止できる。

論文詳細　

原文の要約 :

OBJECTIVE: To evaluate the consequences of discontinuing penicillin prophylaxis at 5 years of age in children with sickle cell anemia who had received prophylactic penicillin for much of their lives. DESIGN: Randomized, double-blind, placebo-controlled trial. SETTING: Eighteen teaching hospitals t...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

鎌状赤血球症におけるペニシリン予防投与の再考

鎌状赤血球症は、赤血球の形が鎌状に変形してしまう遺伝性疾患です。鎌状赤血球症の患者さんは、肺炎などの感染症にかかりやすく、ペニシリンなどの抗生物質を予防的に投与することが推奨されています。本研究は、鎌状赤血球症の患者さんに対するペニシリン予防投与の必要性を検証しました。本研究では、5歳以上の鎌状赤血球症の患者さんを対象に、ペニシリン予防投与を中止した場合の影響を調査しました。ペニシリン予防投与を中止したグループと継続したグループを比較し、肺炎などの感染症の発症率を調べました。

ペニシリン予防投与は5歳以降は必要ない可能性

この研究の結果、5歳以上の鎌状赤血球症の患者さんにおいて、ペニシリン予防投与を中止しても、肺炎などの感染症の発症率は有意に増加しませんでした。このことから、5歳以上の鎌状赤血球症の患者さんに対しては、ペニシリン予防投与を中止しても安全である可能性が示唆されました。

鎌状赤血球症の治療は専門医に相談することが大切

鎌状赤血球症の治療法は、患者さんの状態や症状によって異なります。鎌状赤血球症の症状に悩んでいる方は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けてください。ペニシリン予防投与は、鎌状赤血球症の治療法の一つですが、すべての患者さんに適しているわけではありません。専門医と相談し、最適な治療法を選択することが大切です。

ラクダ博士の結論

鎌状赤血球症は、遺伝性疾患であり、適切な治療が必要となります。ラクダ博士も、砂漠で鎌状赤血球症に似た症状に悩んだことがあります。そんな時、ペニシリンがあればよかったな～なんて思っちゃいますね。ペニシリン予防投与は、鎌状赤血球症の治療法の一つですが、5歳以降は中止しても安全である可能性が示唆されています。鎌状赤血球症の症状に悩んでいる方は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けてください。