選択的セロトニン再取り込み阻害薬は、身体化うつ病患者によく忍容されるか？

著者: CavanaughE, HeiserJ F, LindenR D, WilcoxC S, WisselinkP G

原題: Are selective serotonin reuptake inhibitors well tolerated in somatizing depressives?

概要

この後ろ向き研究では、パロキセチンまたはフルオキセチン治療中の胃腸副作用の発症に対するベースラインの胃腸症状の予測値を評価した。ベースラインの食欲不振のみが、その後のパロキセチンによる胃腸副作用と有意に関連していた。

論文詳細　

原文の要約 :

This retrospective evaluation included 89 patients who participated in two independent clinical investigations of the antidepressant medications paroxetine and fluoxetine. Baseline gastrointestinal (GI) somatic symptoms, as indicated by the baseline scores on the Hamilton Rating Scale for Depression...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

身体化傾向のあるうつ病患者に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬の忍容性

この研究は、身体化傾向のあるうつ病患者に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬 (SSRI) の忍容性を評価したものです。SSRIは、うつ病の治療に広く用いられていますが、消化器系の副作用が起こることがあります。この研究では、SSRIであるパロキセチンとフルオキセチンを服用した患者を対象に、消化器系の副作用の発生率を調べました。

身体化傾向と副作用

研究の結果、身体化傾向のある患者は、SSRIの服用によって、消化器系の副作用をより多く経験するとは限りませんでした。この研究では、身体化傾向のある患者は、SSRIの服用によって消化器系の副作用を経験するリスクが高いという証拠は見つかりませんでした。まるで砂漠の旅人は、様々な困難に直面するものの、必ずしも全ての人が同じ困難に遭遇するわけではないように、身体化傾向のある患者も、SSRIの服用によって、必ずしも消化器系の副作用を経験するとは限りません。