過敏性腸症候群に対する認知療法

著者: BlanchardE B, GreeneB

原題: Cognitive therapy for irritable bowel syndrome.

概要

過敏性腸症候群（IBS）の患者20人を対象とした研究では、認知療法を受けた人は、症状をモニタリングしただけの人と比べて、症状が有意に改善した。治療の終わりには、認知療法群の80%が有意な改善が見られたのに対し、モニタリング群ではわずか10%だった。これらの改善は、3か月後のフォローアップでも維持された。この研究では、IBSの症状の軽減は、思考の肯定的な変化と、否定的な思考の減少と相関していることもわかった。

論文詳細　

原文の要約 :

Twenty patients with irritable bowel syndrome (IBS) were randomly assigned either to intensive, individualized cognitive therapy (10 sessions over 8 weeks) or to 8 weeks of daily gastrointestinal (GI) symptom monitoring. Pre- to posttreatment evaluations showed significantly (p = .005) greater GI sy...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

過敏性腸症候群に対する認知療法

過敏性腸症候群（IBS）の患者20名を、集中的な個別認知療法（8週間で10セッション）群と、8週間の毎日胃腸（GI）症状モニタリング群に無作為に割り当てました。治療前後の評価では、認知療法群の方が症状モニタリング群よりもGI症状の有意な減少（p = .005）が見られました。治療後、認知療法群の80％が臨床的に有意な改善を示したのに対し、モニタリング群ではわずか10％しか改善が見られませんでした。結果は3か月のフォローアップでも維持されました。認知療法群では、GI症状の軽減は、肯定的な自動思考の増加と否定的な自動思考の減少と有意に相関していました。

認知療法は過敏性腸症候群の症状改善に有効

この研究は、認知療法が過敏性腸症候群の症状改善に有効であることを示しました。認知療法群では、症状モニタリング群と比べて、有意な症状の軽減が見られました。また、認知療法群では、症状の軽減は、肯定的な自動思考の増加と否定的な自動思考の減少と関連していました。これらの結果は、認知療法が過敏性腸症候群の症状改善に効果的な治療法である可能性を示唆しています。

過敏性腸症候群の患者は認知療法を試してみましょう

過敏性腸症候群は、生活の質を大きく損なう可能性のある疾患です。しかし、この研究は、認知療法が過敏性腸症候群の症状を改善し、生活の質を向上させる可能性を示唆しています。過敏性腸症候群の患者は、認知療法を試してみてはいかがでしょうか？

ラクダ博士の結論

過敏性腸症候群は、砂漠の砂のように、いつまでも続くような苦しみをもたらします。しかし、この研究は、砂漠に水を引いたように、過敏性腸症候群の患者にとって朗報と言えるでしょう。認知療法は、過敏性腸症候群の症状を改善し、患者がより快適な生活を送れるようにする可能性があります。ラクダ博士は、過敏性腸症候群の患者が、認知療法を通して、砂漠を旅するラクダのように、自由に動き回れるようになることを願っています。