母体の薬物に暴露された母乳育児の乳児における、有害事象の前向き追跡

著者: BlajchmanA, EliopoulosC, ItoS, KorenG, StephensonM

原題: Prospective follow-up of adverse reactions in breast-fed infants exposed to maternal medication.

概要

母親が薬剤を服用していた母乳育児の乳児838人において、医療的介入を必要とする重大な副作用は認められなかった。下痢、眠気、易刺激性などの軽度の副作用は、乳児の11.2%に報告された。

論文詳細　

原文の要約 :

OBJECTIVE: Our objective was to characterize the short-term effects of maternal medications on breast-fed infants. STUDY DESIGN: A cohort of 838 infants breast-fed by women who were taking medications was prospectively studied, and the incidence of adverse reactions in the infants during maternal t...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

母乳育児中の母親の薬剤使用が乳児に及ぼす影響についての調査

母乳育児中の母親の薬剤使用が乳児に及ぼす短期的な影響を調査する研究です。838名の母親と乳児を対象に、母親が服用した薬剤が乳児に及ぼす影響を電話インタビューで調査しました。[文献: PMID: 8498418]

母乳育児と薬剤使用の関係

この調査の結果、838名の乳児において、医療介入を必要とする重大な副作用は観察されませんでした。しかし、94名の母親（11.2％）が、医療介入を必要としない軽度の副作用を報告しました。最も一般的な軽度の副作用は、抗生物質では下痢（21/32）、鎮痛剤または麻薬では眠気（11/22）、抗ヒスタミン剤では易刺激性（6/8）、鎮静剤、抗うつ剤、または抗てんかん薬では眠気（2/3）でした。[文献: PMID: 8498418]

母乳育児中の薬剤使用に関する注意点

母乳育児中の母親が薬剤を使用する場合、乳児に軽度の副作用が現れる可能性があります。特に、抗生物質、鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、鎮静剤、抗うつ剤、抗てんかん薬などの薬剤は注意が必要です。乳児に異常が見られた場合は、医師に相談してください。[文献: PMID: 8498418]

ラクダ博士の結論

母乳育児中の母親の薬剤使用が乳児に及ぼす影響は、ほとんどの場合、軽度で、乳児にとって大きなリスクにはなりません。しかし、薬剤の使用によって乳児に副作用が出ることがありますので、注意が必要です。薬剤を使用する際には、医師に相談し、乳児の状態をよく観察することが大切です。[文献: PMID: 8498418]