回避と強迫性行動が、認知療法と対人療法に患者をマッチングさせる役割：うつ病の治療のための共同研究プログラムからの経験的所見

著者: BarberJ P, MuenzL R

原題: The role of avoidance and obsessiveness in matching patients to cognitive and interpersonal psychotherapy: empirical findings from the treatment for depression collaborative research program.

概要

本研究では、回避性パーソナリティの高いうつ病患者では、認知療法（CT）が対人療法（IPT）よりも効果的であることがわかった。一方、強迫性パーソナリティの高いうつ病患者では、その逆が当てはまった。既婚の患者はCTの方が良好な成績を収めた一方、独身で同居していない患者はIPTの方が改善した。

論文詳細　

原文の要約 :

This article examines the hypothesis that cognitive therapy (CT) is more effective than interpersonal therapy (IPT) for treatment of depressed patients with an elevated level of avoidant personality, whereas the reverse holds for depressed patients with elevated level of obsessive personality. This ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

認知療法と対人療法を患者にマッチングさせるための回避と強迫の役割：うつ病治療共同研究プログラムからの経験的知見

この論文では、回避性パーソナリティのレベルが高いうつ病患者に対しては認知療法（CT）が対人療法（IPT）よりも効果的であるという仮説を検討し、逆に強迫性パーソナリティのレベルが高いうつ病患者に対してはIPTがCTよりも効果的であるという仮説を検討しています。この仮説は、回避性パーソナリティ障害と強迫性パーソナリティ障害に対する動的療法と認知療法の経過を調べた、以前の未発表のパイロット研究の予備的な結果に基づいています。うつ病治療共同研究プログラム（I. Elkin et al., 1989）から入手可能な「完了者」データセットを用いて、治療（CT vs. IPT）と回避性との間に期待される有意な相互作用と、治療と強迫性との間に期待される有意な相互作用が見られました。また、婚姻状態と治療との間に有意な相互作用が見られ、既婚の患者はCT後により改善し、独身または同棲していない患者はIPT後により改善することが示されました。同様のパターンが、ハミルトンうつ病評価尺度とベックうつ病インベントリを用いて見られました。CT vs. IPTへの患者のマッチング要因式を示しています。

回避性パーソナリティと強迫性パーソナリティを持つうつ病患者に対する治療効果

回避性パーソナリティのレベルが高いうつ病患者に対しては認知療法（CT）が対人療法（IPT）よりも効果的であることが示されました。逆に強迫性パーソナリティのレベルが高いうつ病患者に対してはIPTがCTよりも効果的であることが示されました。この研究は、うつ病の治療において、患者のパーソナリティ特性を考慮することが重要であることを示唆しています。

うつ病の治療

うつ病の治療には、様々な選択肢があります。認知療法（CT）と対人療法（IPT）は、うつ病の治療に有効な選択肢です。うつ病の治療法を選択する際には、医師と相談して、自分に適した治療法を選ぶことが重要です。

ラクダ博士の結論

回避性パーソナリティと強迫性パーソナリティを持つうつ病患者に対する治療効果を調べた研究では、回避性パーソナリティのレベルが高いうつ病患者に対しては認知療法（CT）が対人療法（IPT）よりも効果的であることが示されました。逆に強迫性パーソナリティのレベルが高いうつ病患者に対してはIPTがCTよりも効果的であることが示されました。この研究は、うつ病の治療において、患者のパーソナリティ特性を考慮することが重要であることを示唆しています。