空腸および回腸のカルチノイド:167例の免疫組織化学的および臨床病理学的検討

著者: BurkeA P, ElsayedA M, SobinL H, ThomasR M

原題: Carcinoids of the jejunum and ileum: an immunohistochemical and clinicopathologic study of 167 cases.

概要

空腸回腸カルチノイド腫瘍は、比較的高い壁内浸潤率と侵襲的な臨床経過を示す。全症例の5年生存率の中央値は58%であった。生存率は、遠隔転移、カルチノイド症候群、女性であることと負の相関関係にあった。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: Carcinoid tumors of the gastrointestinal tract differ in their clinical and histopathologic features, depending on the site of origin. There are few clinicopathologic studies that specifically describe jejunoileal carcinoid tumors. METHODS: One hundred sixty-seven ileal and jejunal carc...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

空腸および回腸のカルチノイド腫瘍に関する免疫組織化学的研究

消化管のカルチノイド腫瘍は、発生部位によって臨床的および組織学的特徴が異なります。本研究は、[空腸および回腸のカルチノイド腫瘍]の臨床的、病理学的、免疫組織化学的、予後的特徴を重点的に調査しました。

本研究では、167例の空腸および回腸のカルチノイド腫瘍をレトロスペクティブに調査した結果、カルチノイド症候群が5%、ゾリンジャー・エリソン症候群が1%でみられました。腫瘍の26%が複数で、77%が壁全層浸潤していました。31%が区域リンパ節転移のみで、32%が肝臓または腸間膜転移を示していました。93%の腫瘍が島状の増殖パターンを示していました。セロトニンは腫瘍の86%で発現し、クロモグラニンは92%、神経特異的エノラーゼは95%で発現していました。

空腸および回腸のカルチノイド腫瘍は比較的転移しやすい

空腸および回腸のカルチノイド腫瘍は、他の消化管カルチノイド腫瘍と比較して、壁全層浸潤や転移の頻度が高いため、積極的な治療が必要となる可能性があります。本研究は、空腸および回腸のカルチノイド腫瘍の臨床的および病理学的特徴をより深く理解する上で重要な知見を提供しています。

ラクダ博士の結論

砂漠の広大な大地には、様々な植物が生息しています。中には、毒性を持つ植物も存在します。同様に、カルチノイド腫瘍も、発生部位によって特徴が異なります。空腸および回腸のカルチノイド腫瘍は、他の消化管カルチノイド腫瘍と比較して、転移しやすいという特徴があります。この研究は、カルチノイド腫瘍の診断と治療において、重要な情報を提供しています。砂漠を旅する際には、危険な植物を避けるように、カルチノイド腫瘍に対しても、適切な知識と注意が必要です。