Extrapyramidal side effects with risperidone and haloperidol at comparable D2 receptor occupancy levels.

著者: HeinzA, KnableM B, RaedlerT, WeinbergerD R

原題: Extrapyramidal side effects with risperidone and haloperidol at comparable D2 receptor occupancy levels.

概要

この研究では、日常的な臨床用量で治療された被験者における、リスペリドンとハロペリドールのD2受容体占有率と臨床的効果を比較した。両方の薬剤は、同様のD2受容体占有率と薬物誘発パーキンソニズムの発生率を示したことから、リスペリドンによる5-HT2遮断は、錐体外路系副作用から保護しないことが示唆される。

論文詳細　

原文の要約 :

Risperidone is an antipsychotic drug with high affinity at dopamine D2 and serotonin 5-HT2 receptors. Previous clinical studies have proposed that risperidone's pharmacologic profile may produce improved efficacy for negative psychotic symptoms and decreased propensity for extrapyramidal side effect...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

リスパダールとハロペリドールによる錐体外路症状

リスパダールは、ドーパミンD2受容体とセロトニン5-HT2受容体に高い親和性を有する抗精神病薬です。従来の臨床研究では、リスパダールの薬理学的プロファイルが、陰性精神症状に対する効果の改善と、錐体外路症状の発生率の低下をもたらす可能性が示唆されており、いわゆる「非定型」神経遮断薬に共通する特徴です。本研究では、標準的な臨床用量のリスパダール(n = 12)またはハロペリドール(n = 7)を投与された被験者において、[123I]IBZM SPECTを用いてD2受容体占有率を測定し、ルーチン的なリスパダール治療がD2受容体占有率の独自性と臨床効果のパターンに関連しているかどうかを調べました。

リスパダールとハロペリドールは同じ受容体占有率を示す

リスパダールとハロペリドールは、標準的な臨床用量で、約60〜90%のD2受容体占有率を示しました。ハロペリドールとリスパダールで得られた占有率間に有意差は認められませんでした。薬剤誘発性パーキンソン症は、リスパダール投与群(42%)とハロペリドール投与群(29%)で観察され、60%を超える占有率で観察されました。これらの観察結果から、D2受容体占有率が60%以上のリスパダールによる5-HT2遮断は、錐体外路症状のリスクから保護する効果はないと考えられます。

ラクダ博士の結論

リスパダールは、D2受容体と5-HT2受容体に高い親和性を有する抗精神病薬です。しかし、本研究の結果から、D2受容体占有率が60%以上の場合、リスパダールによる5-HT2遮断は、錐体外路症状のリスクから保護する効果はないと考えられます。砂漠の旅では、ラクダは常に周囲の環境に注意し、危険を回避しながら進んでいきます。同様に、精神疾患の治療においても、薬剤の副作用を十分に理解し、適切な治療法を選択することが重要です。