過敏性腸症候群の臨床試験におけるエンドポイントとしての十分な緩和

著者: DukesG E, HahnB A, HeathA T, KongS, MangelA W, McSorleyD, NorthcuttA R

原題: Adequate relief as an endpoint in clinical trials in irritable bowel syndrome.

概要

この研究では、過敏性腸症候群（IBS）における患者の十分な痛みの軽減に対する認識が、全体的な改善の良い指標であることがわかりました。IBSの患者370人を対象とした研究では、十分な痛みの軽減は、痛みの重症度の軽減、痛みのない日数の減少、切迫感を感じた日数の減少、便の頻度と硬度の改善、生活の質の向上に関連していました。これは、十分な痛みの軽減を、IBSの治療効果の重要な尺度として使用できることを示唆しています。

論文詳細　

原文の要約 :

Irritable bowel syndrome is characterized by recurrent abdominal pain and altered bowel function. In designing studies to evaluate new treatments for this disease, however, it is difficult to select appropriate endpoints to reflect improvement in the range of symptoms of the syndrome. In the present...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

過敏性腸症候群の治療効果を測る新しい指標

過敏性腸症候群は、腹痛や便通異常などが特徴の病気です。過敏性腸症候群の治療法を評価する際には、症状の改善を的確に測る指標が重要になります。この研究では、患者さんの主観的な症状改善を評価する指標として、”十分な症状緩和”という新しい指標を提案しています。

”十分な症状緩和”は過敏性腸症候群の治療効果を測る有効な指標

この研究では、370人の過敏性腸症候群患者さんを対象に、プラセボと新しい薬剤の効果を比較しました。その結果、”十分な症状緩和”という指標は、腹痛の程度、痛みのない日数、便通の改善など、過敏性腸症候群の症状改善と有意に関連することが示されました。このことから、”十分な症状緩和”は、過敏性腸症候群の治療効果を評価する上で有用な指標であると考えられます。

過敏性腸症候群の治療は、症状を的確に把握することが大切

過敏性腸症候群の治療では、患者さんの主観的な症状を的確に把握することが重要です。この研究で提案された”十分な症状緩和”という指標は、患者さんの主観的な症状改善を評価する上で役立ちます。ラクダ博士も、過敏性腸症候群の患者さんが、症状を改善し、快適な生活を送れるように、砂漠のように広大な知識を駆使して、医療の発展に貢献していきたいです。