健康な被験者における、低用量ファモチジンと発泡性シメチジンの比較：プラセボ対照の終夜pH研究

著者: CottrellJ, GrimleyC E, MannS G, NwokoloC U, RaskinS, ReillyT G, UsselmannB

原題: Low-dose famotidine and effervescent cimetidine in healthy subjects: a placebo-controlled overnight pH study.

概要

本研究では、ファモチジン10mgとシメチジン200mgの胃内pHへの影響を比較しました。両方の薬物は胃内pHを上昇させますが、発泡剤配合のシメチジン200mgはより速やかな効果を発揮します。

論文詳細　

原文の要約 :

Amongst the low-dose H2-receptor antagonists available for the self-medication of dyspepsia, both famotidine 10 mg and cimetidine 200 mg have been shown to raise intragastric pH, but there is a delay after ingestion before significant effects can be demonstrated. A new effervescent preparation of ci...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

低用量ファモチジンと発泡性シメチジン

消化器疾患の分野では、胃酸分泌を抑える薬剤であるH2受容体拮抗薬の研究が盛んです。ファモチジンとシメチジンは、どちらも低用量で胃酸分泌を抑える効果が認められていますが、薬剤の投与後、効果が現れるまでに時間差があることが課題です。本研究では、新しいタイプのシメチジン製剤である発泡性シメチジン200mgが、胃内のpH値をより速やかに上昇させる効果があるかどうかを検討しました。

発泡性シメチジンの効果

本研究では、健康な被験者を対象に、ファモチジン10mgと発泡性シメチジン200mg、プラセボを投与し、胃内のpH値を比較しました。その結果、発泡性シメチジン200mgは、ファモチジン10mgと比べて、胃内のpH値をより速やかに上昇させる効果が認められました。

消化器疾患治療の進歩

胃酸分泌を抑える薬剤は、胃潰瘍や逆流性食道炎などの消化器疾患の治療に用いられています。本研究で開発された発泡性シメチジン製剤は、従来の製剤と比べて、効果が現れるまでの時間が短いため、患者さんのQOL (Quality of Life) 向上につながると期待されます。

ラクダ博士の結論

胃酸を抑える薬剤は、砂漠の灼熱のような胃の痛みを和らげるのに役立ちます。従来の薬剤では、効果が現れるまでに時間がかかっていましたが、発泡性シメチジンは、砂漠のオアシスのように、迅速に胃の痛みを和らげてくれる可能性があります。この研究は、消化器疾患の治療法開発に新たな光を灯し、患者さんの生活の質を向上させる可能性を秘めています。