Switch-over from tolcapone to entacapone in severe Parkinson's disease patients.

著者: BonanniL, Di IorioA, IaconoD, OnofrjM, ThomasA

原題: Switch-over from tolcapone to entacapone in severe Parkinson's disease patients.

概要

この研究は、すでにL-DOPAを服用している患者における、パーキンソン病の治療に使用される2つの薬剤であるトルカポンとエンタカポンの有効性と副作用を調べました。どちらの薬剤も、必要なL-DOPAの1日用量を大幅に減らし、「オン」時間を増加させ、「オフ」時間を減少させたことから、パーキンソン病の症状のコントロールが改善されたことが示されました。ただし、下痢、肝酵素の上昇、ジスキネジアなどの副作用が観察されました。

論文詳細　

原文の要約 :

Forty patients affected by severe Parkinson's disease (PD) were treated with tolcapone as an adjunctive therapy to L-DOPA, for 3-7 months, until this drug was discontinued because of side-effects (2 diarrhoea, one of them with orthostatic hypotension, 2 increments of liver enzymes) or because of man...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

重症パーキンソン病患者におけるトルカポンからエンタカポンの切り替え

パーキンソン病は、神経細胞の死滅によって起こる神経疾患です。本研究では、重症パーキンソン病患者におけるトルカポンからエンタカポンの切り替えについて調査しました。研究では、重症パーキンソン病の40人を対象とし、トルカポンをL-ドーパの補助療法として3～7か月間投与しました。トルカポンは、副作用や欧州医薬品庁の指示により中止されました。その後、患者はL-ドーパの用量調整を行い、エンタカポンを3か月間投与しました。その結果、トルカポンとエンタカポンは、L-ドーパの1日投与量を有意に減らしました。また、トルカポン投与中は「オン」時間が15%増加し、「オフ」時間は16%減少しました。エンタカポン投与中は、「オン」時間が8%増加し、「オフ」時間は7%減少しました。エンタカポンは、トルカポン投与中に下痢と起立性低血圧を経験した患者では、副作用が再発したため、中止されました。また、6人の患者では、ジスキネジア（幻覚を伴う）の増加が認められ、1人の患者では、リズム的なけいれん性ミオクローヌスが認められました。

トルカポンとエンタカポンの比較

本研究では、トルカポンとエンタカポンは、重症パーキンソン病患者におけるL-ドーパの補助療法として有効であることが示されました。しかし、トルカポンはエンタカポンよりも、副作用のリスクが高いことがわかりました。そのため、パーキンソン病の治療には、個々の患者の状況に合わせて、適切な治療法を選択することが重要です。

パーキンソン病の治療

パーキンソン病の治療には、薬物療法、リハビリテーション療法、手術療法などがあります。薬物療法では、L-ドーパなどのドーパミン作動薬が用いられます。リハビリテーション療法では、運動機能の維持や改善、日常生活動作の訓練などが行われます。手術療法では、脳深部刺激療法などが行われます。パーキンソン病の治療には、複数の治療法を組み合わせることが一般的です。パーキンソン病の症状に悩んでいる場合は、医師に相談し、適切な治療法を選択することが重要です。

ラクダ博士の結論

本研究では、重症パーキンソン病患者におけるトルカポンからエンタカポンの切り替えについて調査しました。その結果、トルカポンとエンタカポンは、L-ドーパの1日投与量を有意に減らす効果があることが示されました。しかし、トルカポンはエンタカポンよりも、副作用のリスクが高いことがわかりました。パーキンソン病の治療には、個々の患者の状況に合わせて、適切な治療法を選択することが重要です。