前立腺がんにおける放射線療法とホルモン療法の併用療法の適応症

著者: ArtignanXavier, BollaMichel, DescotesJean-Luc, FourneretPhilippe, MaingonPhilippe

原題: [Indications of the association of radiotherapy and hormonal treatment in prostate cancer].

概要

この研究は、局所進行性前立腺がんに対する放射線療法に加えて、ホルモン療法の使用を調査しました。放射線療法の前と中にホルモン療法を追加すると、リスクが低い腫瘍（グリーソンスコア2〜6）の患者の全生存期間が改善されました。一方、放射線療法後に追加すると、リスクの高い腫瘍（グリーソンスコア8〜10）の患者の生存期間が改善されました。放射線療法後の3年間の継続的なホルモン療法は、腫瘍のリスクにかかわらず、生存期間の改善にもつながることがわかりました。現在、ホルモン療法が、高リスク因子を持つ局所性前立腺がんに有益かどうかを判断するための研究が進行中です。

論文詳細　

原文の要約 :

RTOG and EORTC randomised phase III trials investigated combination of radiation therapy and hormonal treatment in locally advanced prostate cancer T2c-T4 N0-1 M0 (UICC 2002). Complete androgen blockade initiated 2 months prior to starting radiotherapy and stopped at the completion of radiotherapy v...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

前立腺癌治療における放射線療法とホルモン療法の組み合わせ

RTOGおよびEORTCの第III相ランダム化試験では、局所進行の前立腺癌T2c-T4 N0-1 M0（UICC 2002）に対する放射線療法とホルモン療法の併用が調査されました。放射線療法開始2か月前に開始し、放射線療法終了時に中止した完全なアンドロゲン遮断は、グリーソンスコア2〜6の患者さんの全生存期間を延長しました。放射線療法終了時に開始し、無期限に継続した補助的アンドロゲン抑制は、グリーソンスコア8〜10の患者の全生存期間を有意に改善しました。放射線療法の2か月前と2か月中に完全なアンドロゲン遮断を行い、その後、24か月間追加でLHRHアナログ単独を投与すると、CAB単独に比べてグリーソンスコア8〜10の患者の全生存期間が改善しました。EORTC試験22861では、グリーソンスコアに関わらず、外部照射中および照射後3年間、LHRHアナログによるアンドロゲン抑制が全生存期間を改善したことが示されました。現在、ホルモン療法の役割は、予後不良因子を持つ局所前立腺癌（T1-2 N0）：グリーソンスコア8〜10、PSA>20 ng / mlで評価されています。

ホルモン療法は前立腺癌治療の新たな武器

前立腺癌は、男性に多く見られる癌です。本研究では、放射線療法とホルモン療法を組み合わせることで、前立腺癌の治療効果を向上させることができる可能性が示されました。特に、グリーソンスコア8〜10の患者さんでは、ホルモン療法によって全生存期間が有意に改善されたことが報告されています。ホルモン療法は、前立腺癌の治療に新たな武器となる可能性を秘めています。

前立腺癌と男性の健康

前立腺癌は、早期発見・早期治療が重要な病気です。定期的な健康診断を受け、前立腺癌の早期発見に努めましょう。また、健康的な生活習慣を心がけることで、前立腺癌のリスクを減らすことができます。

ラクダ博士の結論

前立腺癌の治療において、放射線療法とホルモン療法の組み合わせは、治療効果を向上させるための有効な手段であることが明らかになってきました。特に、グリーソンスコア8〜10の患者さんでは、ホルモン療法は重要な治療選択肢となります。前立腺癌の治療は、患者さんの状態やニーズに合わせて、医師と相談しながら、適切な方法を選択することが重要です。