再発性多発性骨髄腫の高リスク患者および高齢患者のための、ボルテゾミブの安全性と有効性

著者: AndersonKenneth C, Ben-YehudaDina, CavenaghJamie D, FaconThierry, HarousseauJean-Luc, IrwinDavid, LonialSagar, RichardsonPaul G, San MiguelJesús-F, SchusterMichael W, SonneveldPieter, StadtmauerEdward A

原題: Safety and efficacy of bortezomib in high-risk and elderly patients with relapsed multiple myeloma.

概要

このAPEXサブグループ分析では、再発多発性骨髄腫の高齢でリスクの高い患者における、ボルテゾミブと高用量デキサメタゾンの効果を比較した。その結果、ボルテゾミブは有意な活性を示し、奏効率、進行までの時間、生存率が改善したことがわかった。

論文詳細　

原文の要約 :

Adverse prognostic factors in multiple myeloma include advanced age, number of prior therapies, and higher International Staging System (ISS) disease stage. In the international, randomised, phase-3 Assessment of Proteasome Inhibition for Extending Remissions (APEX) study, bortezomib demonstrated si...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

再発性多発性骨髄腫のハイリスク患者と高齢患者におけるボルテゾミブの安全性と有効性

多発性骨髄腫における悪性予後因子には、高齢、過去の治療回数、および国際ステージングシステム (ISS) 病期が高度なものが含まれます。国際的な無作為化第3相APEX研究では、ボルテゾミブは、1～3回の過去の治療を受けた再発性多発性骨髄腫患者において、高用量デキサメタゾンと比較して、有意に長い奏効期間 (TTP)、高い奏効率、および生存期間の改善を示しました。

このAPEXサブグループ分析では、高齢 (年齢> =65歳) およびハイリスク (>1回の過去の治療ライン、ISSステージII/III、過去の治療に抵抗性) 患者におけるボルテゾミブとデキサメタゾンの有効性を比較しました。ボルテゾミブは、これらの患者において、著しい臨床的活性を示しました。奏効率 (34-40％対13-19％) 、完全奏効率を含む (5-8％対0-1％) は、4つのサブグループすべてにおいて、ボルテゾミブとデキサメタゾンで有意に高くなりました。同様に、ボルテゾミブとデキサメタゾンで比較して、TTPの中央値は有意に長く、すべてのサブグループで1年間の生存確率は有意に高くなりました。APEX全体の集団と同様に、グレード3/4の有害事象の発生率は、ボルテゾミブ群でデキサメタゾン群よりも高かったが、重篤な有害事象の発生率は同様でした。毒性は一般的に管理可能でした。

ボルテゾミブは再発性多発性骨髄腫の治療に有効な薬

ボルテゾミブは、再発性多発性骨髄腫の高齢患者とハイリスク患者に適した治療法と考えられます。

ラクダ博士の結論

ラクダ博士は、この研究結果を砂漠のオアシスの泉に例えて説明します。多発性骨髄腫は、まるで砂漠を彷徨う旅人が渇きに苦しむように、患者さんを苦しめる病気です。ボルテゾミブは、オアシスの泉のように、患者さんの体力を回復させ、闘病を支える効果があると考えられます。ただし、ボルテゾミブは副作用のリスクも伴うため、医師の指導に従い、適切な治療を受けることが大切です。