神経障害性と交感神経性姿勢性頻脈症候群を比較した、ミドドリンの血管効果に関する二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験

著者: MedowMarvin S, OconAnthony J, RossAmanda J, StewartJulian M

原題: A double-blind placebo-controlled cross-over study of the vascular effects of midodrine in neuropathic compared with hyperadrenergic postural tachycardia syndrome.

概要

α1アドレナリン受容体作動薬であるミドドリンは、神経障害性POTS患者の体位性頻脈を効果的に改善し、ふくらはぎの血管抵抗を増加させ、ふくらはぎの静脈コンプライアンスを減少させました。しかし、ミドドリンは、過剰アドレナリン性POTS患者では血行動態を有意に変化させませんでした。

論文詳細　

原文の要約 :

POTS (postural tachycardia syndrome) is a chronic form of OI (orthostatic intolerance). Neuropathic POTS is characterized by decreased adrenergic vasoconstriction, whereas hyperadrenergic POTS exhibits increased adrenergic vasoconstriction. We hypothesized that midodrine, an α1-adrenergic receptor a...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

神経性と過剰交感神経性起立性頻脈症候群におけるミドドリンの血管効果に関する二重盲検プラセボ対照クロスオーバー研究

起立性頻脈症候群（POTS）は、体位変換時に心拍数が上昇する慢性的な起立性不耐症の一種です。神経性POTSは、交感神経血管収縮の低下を特徴とするのに対し、過剰交感神経性POTSは、交感神経血管収縮の亢進を特徴としています。本研究では、α1-アドレナリン受容体作動薬であるミドドリンが、神経性POTSではふくらはぎ血管抵抗（CVR）を増加させ、ふくらはぎ静脈容量（C(v)）を減少し、起立性頻脈を軽減しますが、過剰交感神経性POTSでは血行動態を変化させないという仮説を立てました。

ミドドリンの有効性：神経性と過剰交感神経性POTSへの影響

研究の結果、神経性POTSでは、ミドドリンはプラセボと比較して、仰臥時の心拍数、ふくらはぎ血流量、ふくらはぎ静脈容量を減らし、平均動脈圧とふくらはぎ血管抵抗を増加させました。一方、過剰交感神経性POTSでは、プラセボとミドドリンの両方とも、起立時の心拍数を減らし、仰臥時のふくらはぎ血管抵抗を増加させました。しかし、プラセボは、過剰交感神経性POTSにおけるミドドリンと比較して、仰臥時のふくらはぎ静脈容量を増加させました。したがって、ミドドリンは、ふくらはぎ血管抵抗を増加させ、ふくらはぎ血流量とふくらはぎ静脈容量を減少させることで、神経性POTSにおける起立性頻脈を改善しましたが、過剰交感神経性POTS患者では、プラセボ効果が見られました。これは、ミドドリンは神経性POTSには効果的な治療法と考えられますが、過剰交感神経性POTSには効果がない可能性があることを示唆しています。

健康への影響と生活への応用

本研究は、ミドドリンが神経性POTSには効果的な治療法となり得ることを示唆しています。しかし、過剰交感神経性POTSに対しては、効果が期待できない可能性があります。そのため、POTSの治療においては、患者の状態を正確に把握し、適切な治療法を選択することが重要です。まるで、砂漠の旅では、道中の状況に応じて、ラクダの歩みを調整するように、POTSの治療においても、患者の状態に合わせて、適切な治療法を選択することが大切です。

ラクダ博士の結論

ミドドリンは、神経性POTSの治療に有効な可能性を秘めていますが、過剰交感神経性POTSに対しては効果が期待できない可能性があります。POTSの治療においては、患者の状態を正確に把握し、適切な治療法を選択することが重要です。まるで、砂漠の旅では、道中の状況に応じて、ラクダの歩みを調整するように、POTSの治療においても、患者の状態に合わせて、適切な治療法を選択することが大切です。