健常な日本人男性被験者における、エルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン、およびテノフォビルの薬物動態に対する、タンパク質豊富な飲料または標準的な食事の影響：ランダム化3方クロスオーバー試験

著者: IkedaAtsushi, IrieShin, IshikawaTomohiro, KimuraMiyuki, MatsukiShunji, NishinoNoriaki, ShiomiMari

原題: Effects of a protein-rich drink or a standard meal on the pharmacokinetics of elvitegravir, cobicistat, emtricitabine and tenofovir in healthy Japanese male subjects: a randomized, three-way crossover study.

概要

HIVの単剤投与レジメンであるエルビテグラビル/コビシスタット/エムトリシタビン/テノホビルジソプロキシルフマル酸塩は、食後に投与するのが最適である。標準的な朝食と比較して、空腹時ではエルビテグラビルのバイオアベイラビリティは50%、テノホビルのバイオアベイラビリティは28%低下する。

論文詳細　

原文の要約 :

This study investigated the effects of ingested food types on the pharmacokinetics of elvitegravir, cobicistat, emtricitabine, and tenofovir as a single-tablet regimen (STR) in Japanese HIV-negative healthy subjects. In this open-label, randomized, three-way crossover study, the pharmacokinetic prof...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

食事がHIV治療薬の吸収に与える影響

HIV治療薬には、様々な種類がありますが、それらの薬剤の体内での吸収は、食事の影響を受けることがあります。本研究では、HIV治療薬の一種であるエルビテグラビル、コビシスタット、エムトリシタビン、テノホビルの吸収に、食事の種類がどのように影響するかを調べました。

食事の種類によってHIV治療薬の吸収が変わる

この研究では、健康な男性を対象に、朝食、空腹時、栄養豊富なタンパク質ドリンクを摂取した後に、HIV治療薬を服用させた結果、空腹時に服用した場合、エルビテグラビルとテノホビルの体内での吸収量が減少することがわかりました。一方、朝食またはタンパク質ドリンクを摂取した後に服用した場合、これらの薬剤の体内での吸収量は、空腹時に服用した場合と比べて、有意に高く、また、朝食とタンパク質ドリンクでは、吸収量に差は見られませんでした。コビシスタットとエムトリシタビンは、どの条件下でも吸収量に差は見られませんでした。

ラクダ博士の結論

HIV治療薬の服用は、食事の影響を受ける可能性があります。この研究では、エルビテグラビルとテノホビルは、食事と一緒に服用することで、体内での吸収量が向上することがわかりました。食事の種類は、吸収量に影響しないことがわかりました。HIV治療薬の服用については、医師と相談し、適切な方法で服用しましょう。まるで砂漠の旅人が、水筒に水を満たすように、薬の服用も、適切な方法で行うことが大切です。