ホスホンカルボン酸塩は、リン酸輸送体による細胞への侵入を阻害することにより、窒素含有ビスホスホネートの炎症性および壊死性副作用からマウスを保護する

著者: EndoYasuo, KiyamaTomomi, OizumiTakefumi, OkadaSatoru, SasakiKeiichi, SugawaraShunji, TsuchiyaMasahiro, YamaguchiKouji

原題: Phosphonocarboxylates Can Protect Mice against the Inflammatory and Necrotic Side Effects of Nitrogen-Containing Bisphosphonates by Inhibiting Their Entry into Cells via Phosphate Transporters.

概要

本研究では、窒素含有ビスホスホネート（N-BPs）によって誘発される炎症性/壊死性効果に対する、窒素非含有ビスホスホネート（クロドロネートおよびエチドロネート）とホスホノカルボキシレートの保護効果を調査した。N-BPsの副作用を予防する戦略として、リン酸トランスポーターの阻害が考えられる。

論文詳細　

原文の要約 :

Bisphosphonates (BPs) are used against diseases involving increased bone-resorption. Among BPs, nitrogen-containing BPs (N-BPs) have much stronger anti-bone-resorptive effects than non-nitrogen-containing BPs (non-N-BPs). However, N-BPs carry the risk of inflammatory/necrotic effects, including oste...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

リン酸カルボキシレートは、リン酸トランスポーターを阻害することで、窒素含有ビスホスホネートの炎症性および壊死性副作用からマウスを保護する可能性

ビスホスホネート(BP)は、骨吸収の増加に関与する疾患の治療に用いられます。窒素含有ビスホスホネート(N-BP)は、非窒素含有ビスホスホネート(non-N-BP)よりも骨吸収抑制効果がはるかに強力です。しかし、N-BPは、顎骨の骨壊死など、炎症性/壊死性副作用のリスクを伴います。N-BPをマウスの耳介に注射すると、耳介内に炎症性/壊死性副作用が誘発されます。

リン酸カルボキシレートはN-BPの副作用を軽減するのか？

本研究では、リン酸トランスポーターを阻害することでN-BPの炎症性/壊死性副作用を軽減できるかどうかを検証しました。実験の結果、リン酸カルボキシレートは、N-BPの炎症性/壊死性副作用を軽減することがわかりました。

リン酸カルボキシレートがN-BPの副作用を軽減するメカニズム

リン酸カルボキシレートは、細胞へのリン酸トランスポーターの侵入を阻害することで、N-BPの炎症性/壊死性副作用を軽減すると考えられます。この発見は、N-BPの副作用を軽減するための新しい治療戦略につながる可能性があります。

ラクダ博士の結論

ビスホスホネートは、骨粗鬆症などの骨の病気の治療に有効な薬剤です。しかし、一部のビスホスホネートは、顎骨の骨壊死など、副作用のリスクを伴います。本研究では、リン酸カルボキシレートが、ビスホスホネートの副作用を軽減する可能性を示しました。この発見は、ビスホスホネートの安全性向上に貢献する可能性があります。