一般的なダンスの怪我に対する理学療法後のダンスにおける機能回復の回顧的評価

著者: DilgenFaye, JunckEmily, LiederbachMarijeanne, RichardsonMegan

原題: A Retrospective Assessment of Return to Function in Dance After Physical Therapy for Common Dance Injuries.

概要

この研究では、一般的なダンスの怪我に対する手術的治療と非手術的治療を受けたダンサーの機能的成績を評価した。その結果、慢性的な怪我をしていない若年層のダンサーで、恐怖感に縛られていないダンサーの方が、より良い結果を得られる傾向があることが示唆された。この研究は、ダンスの回復において心理社会的要因を考慮する必要があることを強調している。

論文詳細　

原文の要約 :

An injury that causes a dancer to take time away from training or performance can be career ending, and thus it is important for dancers to have accurate expectations when considering treatment options. Thus far, few studies have reported functional outcomes after injury in dancers, which may be dif...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

一般的なダンスの怪我に対する理学療法後のダンスへの機能的復帰に関する後方視的評価

ダンサーにとって、トレーニングやパフォーマンスから離れる原因となる怪我は、キャリアの終わりを意味する可能性があり、治療法を検討する際には、正確な期待を持つことが重要です。これまで、ダンサーの怪我後の機能的転帰を報告した研究は少なく、一般のアスリートとは異なる可能性があります。そのため、本研究では、一般的なダンスの怪我に対する手術的および非手術的治療後のダンサーの機能的転帰を調べました。転帰尺度は、ダンサーが以前のダンスレベルまでどの程度回復したかの主観的評価、SF-12調査、ダンス用に修正されたWHO機能的転帰尺度を含みました。また、これらの尺度を、ダンスにおける完全な機能的復帰の転帰尺度として比較しました。第二に、機能的転帰の悪化に寄与する可能性のある要因を評価しました。2006年から2010年にかけて当社の理学療法施設を受診した675人のダンサーのカルテをレビューし、ダンサーの怪我に関する調査に基づいて「一般的」と分類したダンス関連の怪我を経験した416人の成人ダンサーを特定しました(背中の怪我は除く)。164人のダンサーが、怪我後の回復に関する電話調査に回答しました。記述統計、相関、線形回帰を使用して、機能的転帰の悪化に関連する要因を特定しました。

ダンスにおける機能的転帰は、年齢、怪我の期間、恐怖による回復の制限など、複数の要因によって影響を受ける

研究の結果、参加者の63%が怪我前のレベルに完全に復帰していました。線形回帰により、機能的転帰の悪化と有意に相関している変数は見られませんでした。しかし、ダンサーが若い、怪我の期間が慢性化していない、回復が恐怖によって制限されていない場合、転帰が良好になる傾向が見られました。3つの測定尺度はすべて互いに高度に相関しており(p=0.000)、ダンスへの機能的復帰の有効な決定要因であることがわかりました。機能的転帰に強く相関している要因がほとんどなかったことから、ダンスにおける機能的転帰の悪化は、心理社会的要因を含む多くの要因が組み合わさって発生すると結論付けました。

ダンスの怪我に対する理学療法を受ける方へ

ダンスの怪我に対する理学療法を受ける際には、年齢、怪我の期間、恐怖による回復の制限などの要因が、機能的転帰に影響を与える可能性があることを理解しておくことが重要です。医師や理学療法士に相談して、適切な治療法を選択することが重要です。

ラクダ博士の結論

ダンスの怪我は、砂漠を旅するラクダにとって、足が滑って転んでしまうようなものです。機能的転帰は、ラクダが再び砂漠を走り回れるようになるまでにかかる時間と、足が滑って転んでしまう恐怖心によって大きく影響されます。ダンスの怪我から回復するためには、年齢や怪我の期間、恐怖心など、様々な要因を考慮することが重要です。砂漠を安全に旅するためには、適切な準備と注意が必要なのです。