自己傷行為の2回目またはそれ以降のエピソードの後にみられる若い人に対する、家族療法と通常の治療の、実用的な無作為化比較試験と経済評価：自己傷行為介入 - 家族療法（SHIFT）試験

著者: BostonPaula, CollinsonMichelle, CottrellDavid J, EislerIvan, FarrinAmanda J, FortuneSarah, GrahamElizabeth H, GreenJonathan, HouseAllan O, KerfootMichael, OwensDavid W, SalonikiEirini-Christina, SimicMima, TubeufSandy, Wright-HughesAlex

原題: A pragmatic randomised controlled trial and economic evaluation of family therapy versus treatment as usual for young people seen after second or subsequent episodes of self-harm: the Self-Harm Intervention - Family Therapy (SHIFT) trial.

概要

この無作為化比較試験では、少なくとも2回以上自傷行為を行った青年のための家族療法（FT）と通常の治療（TAU）の有効性を比較した。832人の参加者が含まれた。グループ間で自傷行為の反復率に統計的に有意な差があるという証拠はなかった。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: Self-harm in adolescents is common and repetition rates high. There is limited evidence of the effectiveness of interventions to reduce self-harm. OBJECTIVES: To assess the clinical effectiveness and cost-effectiveness of family therapy (FT) compared with treatment as usual (TAU). DESI...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

若者の自傷行為に対する家族療法の効果は？

自傷行為は、特に若者において深刻な問題であり、繰り返し起こることも少なくありません。しかし、自傷行為を減らすための効果的な介入方法は、いまだ明らかになっていません。この研究は、家族療法が、従来の治療法に比べて、若者の自傷行為の再発を減らす効果があるのかを調べました。

研究では、家族療法と従来の治療法の2つのグループに若者を分け、18か月間の追跡調査を行いました。その結果、家族療法は従来の治療法に比べて、自傷行為の再発率を減らす効果は認められませんでした。ただし、家族機能が低いと報告されたケア受容者の場合、家族療法は自傷行為を減らす効果があった可能性が示唆されました。また、感情表現に困難を感じている若者に対しては、家族療法は従来の治療法よりも効果的ではなかったようです。

家族療法は若者の自傷行為を減らす効果がない？

この研究は、家族療法が、若者の自傷行為の再発率を減らす効果はないことを示唆しています。家族療法が有効な場合もある一方で、効果がない場合もあることがわかりました。

自傷行為に悩む若者と家族へのメッセージ

自傷行為は、若者にとって深刻な問題です。家族療法が有効な場合もある一方で、効果がない場合もあることがわかりました。自傷行為に悩む若者や家族は、適切なサポートを受けることが大切です。医師やカウンセラーなど、専門家のアドバイスを求め、自分に合った治療法を見つけることが重要です。

ラクダ博士の結論

この研究は、家族療法の効果が限定的なことを示唆しています。自傷行為に悩む若者と家族にとって、どのような治療法が最適なのか、さらなる研究が必要です。ラクダ博士は、若者の自傷行為は、砂漠のように広がる問題であり、解決には多角的なアプローチが必要だと考えています。様々な治療法を検討し、若者と家族が共に歩む道を探ることが重要です。