炎症性腸疾患患者のチオプリン維持単剤療法における検査モニタリングの付加価値は限られている

著者: , BoumaGerd, DijkstraGerard, KreijneJoany E, VoskuilMichiel D, WestRachel, de BoerNanne K, de JongDirk J, de VeerRozanne C, de VriesAnnemarie C, van MoorselSofia A W, van der WoudeC Janneke

原題: Limited added value of laboratory monitoring in thiopurine maintenance monotherapy in inflammatory bowel disease patients.

概要

1132人の成人炎症性腸疾患（IBD）患者を対象とした後向き分析では、チオプリン単独療法を4か月間隔でモニタリングした1年後、重度の検査室毒性（骨髄毒性と肝毒性）はまれであることがわかりました。検査室毒性が検出された後、治療の調整はまれです。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: To timely detect myelotoxicity and hepatotoxicity, laboratory monitoring at 3-month intervals is advised throughout thiopurine maintenance treatment for IBD. However, reported incidence rates of myelotoxicity and hepatotoxicity in maintenance treatment are low. AIM: To assess incidence ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

炎症性腸疾患治療の砂漠に新たな道！

炎症性腸疾患（IBD）は、腸の炎症が原因で起こる病気で、クローン病や潰瘍性大腸炎などが含まれます。IBDの治療には、免疫抑制剤であるチオプリンがよく使われますが、副作用として骨髄抑制や肝機能障害などのリスクがあります。そのため、チオプリン治療中は、定期的に血液検査や肝機能検査などのモニタリングを行う必要があります。

この研究では、IBD患者さんにおけるチオプリンの維持療法について、モニタリングの頻度と副作用の発生率を調べました。その結果、チオプリン治療を開始してから1年以上経過した患者さんでは、骨髄抑制や肝機能障害などの副作用が、従来考えられていたよりも少ないことがわかりました。この研究は、チオプリンの維持療法において、モニタリングの頻度を減らすことが可能であることを示唆しています。

チオプリンの維持療法において、モニタリングの頻度を減らすことで、患者さんの負担を軽減することができます。また、医療費の削減にもつながります。今後、チオプリンの維持療法におけるモニタリングの頻度について、さらなる検討が必要となります。

IBD治療は砂漠のオアシス探し

IBDは、原因不明の病気で、完治が難しい病気です。そのため、IBDの治療は、まさに砂漠のオアシス探しです。しかし、チオプリンなどの治療薬の開発や、モニタリングに関する研究が進展することで、IBDの治療はより安全で効果的なものになっていくでしょう。ラクダ博士は、IBDの患者さんが、安心して生活できるようになることを願っています！