ベースラインの疼痛特性は、慢性骨盤痛の女性における理学療法後の疼痛軽減を予測する。ランダム化比較試験のデータの二次分析

著者: HaugstadGro K, NygaardAne S, StedenfeldtMona, WilsgaardTom, ØianPål

原題: Baseline pain characteristics predict pain reduction after physical therapy in women with chronic pelvic pain. Secondary analysis of data from a randomized controlled trial.

概要

背景と目的慢性骨盤痛の女性は、異質な集団であり、サブグループの存在が、臨床試験におけるさまざまな結果と結論の欠如を説明できることが示唆されている。治療転帰のいくつかの予測因子が示唆されているが、証拠は限られている。この研究の主要な目的は、最近実施されたランダム化比較試験の参加者の、選択された治療前の特徴が、治療転帰と関連しているかどうかを調べることであった。方法この研究では、ランダム化試験で収集されたデータの二次分析を実施した。参加者は、慢性骨盤痛の女性で、2種類の異なる理学療法治療に無作為に割り当てられた。この研究での分析は、コホートとして、全グループに対して行われた。主要な転帰尺度は、ベースラインから12か月までの痛みの強度の変化であり、数値評価尺度（0～10）で測定された。女性には、過去7日間の平均的な骨盤痛の強度を評価するように依頼された。以前の研究と、ランダム化比較試験から入手可能な変数に基づいて、ベースラインデータから4つの潜在的な予測因子を導き出し、年齢と治療群を調整した線形回帰モデルで、1つずつ評価した。主要な転帰と最も強い関連性（p < 0.10）を示した変数は、年齢と治療群を調整した、後退選択を用いた多変量線形回帰モデルにさらに含めた。結果分析には、50人の女性（平均年齢38.1歳、SD=12.2歳）が含まれた。これらの女性の場合、ベースラインから12か月までの痛みの強度の平均変化は-1.2ポイント（95％CI -1.8～-0.7）であった。多変量回帰モデルでは、骨盤痛の期間が6年以上であることは、痛みの強度の減少が少ないことと関連しており、回帰係数は1.3（95％CI 0.3-2.4）であった。ベースラインの痛みの強度は、PT治療後の痛みの軽減が大きいことと関連しており、ベースラインの痛みのSD増加あたりの回帰係数は-0.6（95％CI -1.1～-0.1）であった。骨盤以外の部位が主な痛み部位であった女性のうち、理学療法治療後、痛みの軽減を報告した人はいなかったが、数が少ないため、予測因子は回帰分析に含められなかった。結論骨盤痛の期間が6年以上であることは、痛みの軽減が少ないことと関連しており、ベースラインの痛みの強度が高いことは、慢性骨盤痛の女性のこのサンプルにおいて、理学療法治療後の痛みの軽減が大きいことと関連していることがわかった。骨盤以外の部位が主な痛み部位であるという変数については、数が少ないため、結果は不確かである。影響痛みの期間が長いことが、痛みの軽減に対する負の予測因子であるというわれわれの知見に基づいて、早期介入が重要であることを強調する。われわれのRCTの参加者の多くは、PTへの紹介前に、骨盤手術やその他の治療を報告しており、PTなどの非侵襲的介入への紹介は、より早い段階で考慮されるべきであることを示唆する。介入を個々の女性のニーズに合わせて調整するために、できれば多職種の設定で、徹底的なベースライン評価を行うべきである。

論文詳細　

原文の要約 :

Background and aims Women with chronic pelvic pain represent a heterogeneous group, and it is suggested that the existence of sub-groups can explain varying results and inconclusiveness in clinical trials. Some predictors of treatment outcome are suggested, but the evidence is limited. The primary a...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

慢性骨盤痛女性における理学療法後の疼痛軽減を予測するベースライン疼痛特性。無作為化比較試験データの二次分析

慢性骨盤痛は、女性によく見られる痛みで、原因と症状は人によって異なります。本研究は、最近実施された無作為化比較試験の参加者のベースライン特性が治療結果と関連するかどうかを調べました。研究者たちは、ベースラインデータから、疼痛期間、疼痛強度、疼痛部位などの因子を分析しました。この研究は、砂漠の中のオアシスのように、慢性骨盤痛の治療効果を予測するための手がかりを探しています。

疼痛期間が治療結果に影響

研究の結果、疼痛期間が6年以上である女性は、疼痛期間がそれより短い女性と比較して、疼痛軽減効果が低いことがわかりました。これは、砂漠の厳しい環境で、ラクダが長い間乾燥にさらされると、体が傷つきやすくなるように、慢性骨盤痛も、長期間続くと治療効果が低くなる可能性を示唆しています。

ベースライン疼痛強度と治療結果

ベースライン疼痛強度が高い女性は、疼痛強度が低い女性と比較して、疼痛軽減効果が高いことがわかりました。これは、砂漠のオアシスのように、水不足が深刻なほど、水を得た時の喜びが大きいように、慢性骨盤痛も、痛みが強いほど、軽減された時の喜びが大きいことを示唆しています。

ラクダ博士の結論

この研究は、慢性骨盤痛の治療効果を予測する因子を明らかにしました。疼痛期間が6年以上である女性は、疼痛軽減効果が低くなる可能性があります。早いうちに治療を開始することが重要です。砂漠の厳しい環境に適応するラクダのように、慢性骨盤痛も、適切な治療を受けることで、痛みが軽減される可能性があります。医師と相談し、自分にとって最適な治療法を選択しましょう。