プロトンポンプ阻害剤は、血液透析患者において、ランタン炭酸塩の低リン血症効果を阻害する可能性があるが、クエン酸鉄水和物またはスクロース鉄オキシ水酸化物の効果は阻害しない

著者: EndoSho, FujinoTeppei, ItohHiroshi, KaburagiNoriko, MinakuchiHitoshi, OyaMototsugu, TakemitsuTomoko Yamashita, YamashitaNorimasa, YoshidaTadashi

原題: Proton pump inhibitors may hinder hypophosphatemic effect of lanthanum carbonate, but not of ferric citrate hydrate or sucroferric oxyhydroxide, in hemodialysis patients.

概要

末期腎疾患で透析を受けている人は、消化器系の問題を予防または治療するために、しばしば制酸薬を服用します。しかし、これはリン吸着剤の働き方に影響を与える可能性があります。本研究では、リン吸着剤の1つである炭酸ランタンは、プロトンポンプ阻害薬（PPI）と呼ばれる種類の制酸薬を服用している患者では、リンレベルを低下させる効果が低いことがわかりました。他の2つのリン吸着剤であるクエン酸鉄水和物とスクロース鉄オキシ水酸化物は、PPIの影響を受けませんでした。

論文詳細　

原文の要約 :

Because end-stage renal disease patients undergoing hemodialysis frequently take acid suppressants for the treatment or prevention of gastrointestinal diseases, it is important to clarify the drug-interactions between acid suppressants and phosphate binders on the control of serum phosphate levels. ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

透析患者におけるリン酸結合剤とプロトンポンプ阻害薬の相互作用

慢性腎臓病患者では、リン酸値の上昇が問題となることがあります。リン酸値の上昇は、心血管疾患などの合併症のリスクを高めるため、リン酸結合剤が使用されます。一方、慢性腎臓病患者は、胃腸系の問題を抱えていることが多く、プロトンポンプ阻害薬（PPI）を服用している場合もあります。本研究では、透析患者において、3種類のリン酸結合剤（ランタン炭酸塩、クエン酸鉄水和物、スクロース鉄オキシ水酸化物）とPPIの併用が、リン酸値の低下に及ぼす影響を調査しました。その結果、ランタン炭酸塩は、PPIと併用すると、リン酸値の低下効果が減弱することがわかりました。一方、クエン酸鉄水和物とスクロース鉄オキシ水酸化物は、PPIと併用しても、リン酸値の低下効果が維持されることがわかりました。この研究は、透析患者にリン酸結合剤とPPIを併用する際には、ランタン炭酸塩を使用する場合は注意が必要であることを示唆しています。

ランタン炭酸塩とPPIの相互作用

本研究では、透析患者において、3種類のリン酸結合剤（ランタン炭酸塩、クエン酸鉄水和物、スクロース鉄オキシ水酸化物）とPPIの併用が、リン酸値の低下に及ぼす影響を調査しました。その結果、ランタン炭酸塩は、PPIと併用すると、リン酸値の低下効果が減弱することがわかりました。

リン酸結合剤の選択における注意点

透析患者において、リン酸結合剤とPPIを併用する際には、ランタン炭酸塩を使用する場合は注意が必要です。ランタン炭酸塩は、PPIと併用すると、リン酸値の低下効果が減弱することがあります。一方、クエン酸鉄水和物とスクロース鉄オキシ水酸化物は、PPIと併用しても、リン酸値の低下効果が維持されます。そのため、透析患者のリン酸結合剤の選択には、PPIの服用状況も考慮する必要があります。

ラクダ博士の結論

透析患者におけるリン酸結合剤の選択は、PPIの服用状況を考慮することが重要です。本研究では、ランタン炭酸塩は、PPIと併用すると、リン酸値の低下効果が減弱することがわかりました。一方、クエン酸鉄水和物とスクロース鉄オキシ水酸化物は、PPIと併用しても、リン酸値の低下効果が維持されます。透析患者の適切なリン酸管理には、リン酸結合剤とPPIの相互作用に関する理解が不可欠です。