慢性リンパ球性白血病患者の治療における毎日投与と断続的投与のクロラムブシルとプレドニゾロン療法の比較

著者: GlidewellO, RaiK R, SawitskyA, SilverR T

原題: Comparison of daily versus intermittent chlorambucil and prednisone therapy in the treatment of patients with chronic lymphocytic leukemia.

概要

慢性リンパ性白血病（CLL）の患者96人を対象とした研究では、プレドニゾンと月1回のクロラムブシル（CLB）併用療法、プレドニゾンと毎日CLB併用療法、プレドニゾン単独療法の3つの治療レジメンを比較した。完全または部分的な寛解（CR+PR）は、月1回のCLB併用療法（47%）で最も高く、次に毎日CLB併用療法（38%）、プレドニゾン単独療法（11%）と続いた。CR+PRを達成した患者は、レジメンに関係なく、生存期間が長かった。月1回のCLB併用療法は、全生存期間が最も長かったが、3つのレジメン間の生存期間の差は有意ではなかった。すべてのレジメンの毒性は最小限であり、月1回のCLB用量を増やしても過度の骨髄毒性は発生しなかった。患者の約22%で、治療中に糖尿病または高血糖症が起きた。

論文詳細　

原文の要約 :

Ninety-six patients with stage III and stage IV chronic lymphocytic leukemia (CLL) were randomized into one of three treatment schedules. Prednisone was common to all three schedules and was given daily in an initial dosage of 0.8 mg/kg for the first 14 days, with successive halving of the daily dos...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

慢性リンパ性白血病の治療における、毎日投与と間欠投与のクロラムブシルとプレドニゾンの比較

慢性リンパ性白血病(CLL)の治療における、毎日投与と間欠投与のクロラムブシル(CLB)とプレドニゾンの有効性を比較検討した研究です。CLLの治療は砂漠の旅路に似ています。患者さんの状態は人それぞれ異なり、最適な治療法を見つけるには、適切なオアシス(治療法)を見つけるように、慎重な判断が必要です。この研究では、ステージIIIとステージIVのCLL患者96人を対象に、3つの治療スケジュールを比較しました。プレドニゾンはすべてのスケジュールに共通して用いられ、最初の14日間は0.8mg/kgを毎日投与し、その後は15日目と29日目に毎日投与量を半分ずつ減らしました。プレドニゾンは、その後、毎月7日間連続して0.8mg/kgを1日1回投与しました。スケジュールIはプレドニゾンに加えて、CLBを毎月0.4-0.8mg/kgを1回投与しました。スケジュールIIは両方の薬剤を投与しましたが、CLBは0.08mg/kgを毎日投与しました。スケジュールIIIはプレドニゾンのみを投与しました。

プレドニゾンとクロラムブシルの組み合わせが最も有効な結果を示した

研究の結果、スケジュールI(プレドニゾン+CLBを毎月1回投与)では完全寛解と部分寛解(CR + PR)が47%、スケジュールII(プレドニゾン+CLBを毎日投与)では38%、スケジュールIII(プレドニゾンのみ)では11%と、プレドニゾンとCLBを組み合わせたスケジュールがより高い寛解率を示しました。また、それぞれの治療スケジュールにおいて、寛解(CR + PR)した患者は、寛解しなかった患者よりも生存期間が長いことがわかりました。

CLBの併用は、CLLの治療に効果的な可能性を示唆

CLL治療において、CLBを併用することで寛解が得られやすく、生存期間が延びる可能性が示唆されました。CLBは砂漠の貴重なオアシスのように、CLLの治療に役立つ可能性があります。ただし、この研究では、CLBの投与方法(毎日投与か間欠投与か)によって生存期間に有意な差は見られませんでした。今後の研究では、CLBの投与方法と生存期間の関係について、さらなる調査が必要となります。

ラクダ博士の結論

この研究は、CLLの治療においてプレドニゾンとCLBを組み合わせることが、寛解率を高め、生存期間を延ばす可能性を示唆しています。しかし、CLBの投与方法が生存期間に与える影響については、さらなる研究が必要です。CLLの治療は、砂漠の旅路のように長く険しい道のりです。適切な治療法を選択し、医師と密接に連携することで、砂漠のオアシスのような希望を見つけることができるかもしれません。