認知症と過活動膀胱を有する高齢者の、抗ムスカリン薬の使用：メディケア受給者の研究

著者: AparasuRajender R, ChenHua, HolmesHolly M, JohnsonMichael L, KachruNandita

原題: Antimuscarinic use among older adults with dementia and overactive bladder: a Medicare beneficiaries study.

概要

認知症患者の約3分の1が過活動膀胱を患っており、そのうちの4分の1以上が抗コリン剤を使用していました。事象発生ユーザーのほとんどが非選択的抗コリン剤を処方されていました。

論文詳細　

原文の要約 :

OBJECTIVES: This study examined the incidence and predictors of antimuscarinic medication use including non-selective antimuscarinics among older adults with dementia and overactive bladder (OAB). METHODS: The study used a new-user cohort design involving older adults (≥65 years) with dementia and ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

認知症高齢者における抗コリン薬の使用に関する研究

認知症は、高齢者の健康問題として深刻化しており、その治療法の開発が急務です。過活動膀胱は、認知症高齢者においても頻繁にみられる症状であり、抗コリン薬が使用されることがあります。しかし、抗コリン薬は、認知症高齢者にとって副作用のリスクが高いことも知られています。本研究は、認知症高齢者における抗コリン薬の使用の実態と、そのリスク因子を調べたものです。

認知症高齢者の過活動膀胱治療における抗コリン薬の使用実態

本研究では、認知症高齢者における過活動膀胱の治療に、抗コリン薬が広く使用されていることが明らかになりました。しかし、認知症高齢者は、抗コリン薬の副作用のリスクが高いことも知られています。そのため、認知症高齢者に対する抗コリン薬の使用は、慎重に行う必要があります。

抗コリン薬の使用に関するリスク因子

本研究では、認知症高齢者における抗コリン薬の使用に関するリスク因子として、年齢、人種、他の疾患などが挙げられました。特に、75歳以上の高齢者、黒人、統合失調症、てんかん、せん妄などの疾患を持つ患者さんは、抗コリン薬の使用に注意が必要です。

ラクダ博士の結論

ラクダ博士は、この研究結果を聞いて、認知症高齢者に対する医療の難しさを感じました。ラクダ博士は、砂漠を旅する際に、様々な動物と出会いますが、それぞれの動物には、それぞれの特徴があります。認知症高齢者も、それぞれに異なる特徴を持つため、治療には、個々の患者さんに合わせた対応が必要になります。認知症高齢者の治療には、医師や医療従事者の深い知識と経験が必要だとラクダ博士は考えます。