両側手根管症候群治療の成績 - 体系的レビューとメタ分析

著者: AndrausR A C, FernandesK B P, GeorgetoS M, NgomoS, PicharskiG L, da SilvaR A

原題: Outcomes of bilateral carpal tunnel syndrome treatment - A systematic review and meta-analysis.

概要

手根管症候群（CTS）は、両方の手首に影響を与える、一般的な神経の問題です。本レビューでは、CTSに対する非外科的治療と外科的治療の両方で、1か月と3か月後に、症状、機能、痛みのレベルが改善したことがわかりました。非外科的な治療には、薬物療法、理学療法、手首の装具などがありました。外科的な治療には、従来の開腹手術と低侵襲的なアプローチ（内視鏡手術）の両方がありました。どちらのアプローチも改善が見られましたが、手術の方が一般的に効果的でした。

論文詳細　

原文の要約 :

Carpal tunnel syndrome (CTS) is the predominant compressive neuropathy among adults worldwide. However, evidence regarding treatment alternatives and their outcomes, especially with bilateral carpus involvement, is inconclusive. To analyze the clinical and surgical outcomes of bilateral CTS treatmen...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

手根管症候群の両側性治療における効果

手根管症候群(CTS)は、世界中の成人で最も一般的な圧迫神経障害です。しかし、特に両側の手根管の治療方法と効果に関するエビデンスは不十分です。本研究では、視覚アナログスケール(VAS)とボストンアンケートを用いて、両側CTS治療の臨床的および外科的効果を体系的にレビューし、メタ分析を行いました。様々なデータベースから129件の論文を評価した結果、バイアスリスクが低い9件の論文が本研究に含まれました。これらの研究は、方法論的品質（規模と程度）が評価され、バイアスの特定とデータ抽出の独立性が確保されました。対象となった論文は、ポルトガル語、スペイン語、英語で書かれたもので、出版時期に制限はありませんでした。評価されたアウトカムは、症状の重症度スケール(SSS)、機能状態スケール(FSS)、VASの標準化平均差(SMD)でした。臨床治療群では、1か月後のフォローアップで、SSS(SMD: 0.53)、FSS(SMD: 0.47)、VAS(SMD減少: 2.52)に有意な改善が見られました。外科治療群では、1か月後のフォローアップで、SSS(SMD: 内視鏡手術では1.97、開放手術では1.55)、FSS(SMD: 内視鏡手術では1.52、開放手術では1.77)、VAS(SMD: 内視鏡手術では2.19、開放手術では2.59)に有意な改善が見られました。3か月後のフォローアップでも、VAS、SSS、FSSに有意な改善が見られました。臨床治療と外科治療の両方で、症状の重症度、機能状態、痛みの強度が改善する可能性があるため、両側CTS患者の1か月と3か月後のフォローアップ期間における有効性が示されています。

両側CTS治療における臨床的および外科的治療の効果

本研究は、両側CTSの治療において、臨床治療と外科治療の両方が有効であることを示しています。臨床治療群では、1か月後のフォローアップで、SSS、FSS、VASに有意な改善が見られました。外科治療群では、1か月後のフォローアップで、SSS、FSS、VASにさらに大きな改善が見られ、3か月後のフォローアップでも改善が維持されました。これらの結果は、両側CTSの患者にとって、症状の改善と生活の質の向上に役立つことを示しています。具体的には、臨床治療では、薬物療法や理学療法などが行われ、症状の緩和や機能の回復を図ります。外科治療では、手根管を開放して圧迫神経を解放することで、症状を改善します。

手根管症候群の予防と対処

手根管症候群は、手の使い過ぎや姿勢が悪くなることなどにより発生する可能性があります。そのため、パソコン作業など長時間同じ姿勢での作業をする際は、こまめな休憩やストレッチを取り入れることが大切です。また、手首を冷やさないようにすることも重要です。もし、手根管症候群の症状が出た場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

ラクダ博士の結論

手根管症候群は、砂漠の暑さで膨張したラクダの蹄のように、しびれや痛みを引き起こす厄介なものです。しかし、この研究は、手根管症候群の治療において、臨床治療と外科治療の両方がある程度効果があることを示しています。適切な治療法を選択することで、ラクダの蹄のように腫れ上がった手根管を元の状態に戻し、快適な生活を送ることができるでしょう。手根管症候群の予防には、砂漠のラクダのように過酷な環境に身を置くのではなく、休息やストレッチを心がけることが重要です。