PDGFRA D842V変異を伴う、術後再発性消化器間質腫瘍に対する、ピミテスビブの長期反応：症例報告

著者: DokiYuichiro, EguchiHidetoshi, KurokawaYukinori, MakinoTomoki, NakajimaKiyokazu, SaitoTakuro, TakahashiTsuyoshi, TanakaKoji, TeranishiRyugo, YamamotoKazuyoshi, YamashitaKotaro

原題: Long-term response to pimitespib in postoperative recurrent gastrointestinal stromal tumors with PDGFRA D842V mutation: a case report.

概要

エクソン18 D842Vは、PDGFRA（血小板由来成長因子受容体α）変異型消化器間質腫瘍（GIST）で最も頻度の高い変異です。本報告では、PDGFRA D842V変異を有するGISTにおける、新規なヒートショックプロテイン90（HSP90）阻害剤であるピミテスピブ（PIMI）に対する長期的な奏効の症例を示しています。

論文詳細　

原文の要約 :

Exon 18 D842V, which is a point mutation from aspartic acid to valine at codon 842, is the most frequent mutation in Platelet-Derived Growth Factor Receptor alpha (PDGFRA)-mutated gastrointestinal stromal tumor (GIST). In the Japanese GIST guidelines, no standard systematic therapy is available for ...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

PDGFRA D842V変異を伴う術後再発性胃腸間質腫瘍に対するピミテスピブの長期反応：症例報告

エクソン18 D842Vは、コドン842におけるアスパラギン酸からバリンへの点変異であり、血小板由来成長因子受容体アルファ（PDGFRA）変異胃腸間質腫瘍（GIST）で最も頻度の高い変異です。日本のGISTガイドラインでは、再発後に抵抗性を示すこのタイプのGISTに対して、標準的な体系的な治療法はありません。最近、新規ヒートショックタンパク質90（HSP90）阻害剤であるピミテスピブ（PIMI）が、第III相試験で進行性GISTの治療薬として承認されました。この報告は、PDGFRA D842V変異を伴うGISTに対するPIMIの長期反応の症例を示しています。

ピミテスピブ：胃腸間質腫瘍治療の新たな希望

この症例報告は、ピミテスピブが、PDGFRA D842V変異を伴う胃腸間質腫瘍の治療に有効である可能性を示唆しています。ピミテスピブは、従来の治療法が効果を示さない患者にとって、新たな治療選択肢となる可能性があります。しかし、ピミテスピブの長期的な安全性や有効性については、さらなる研究が必要です。

ラクダ博士の結論

胃腸間質腫瘍は、砂漠の蜃気楼のように、捉えどころのない病気です。ピミテスピブは、この蜃気楼を消し去る魔法の杖のような存在かもしれません。ラクダ博士は、ピミテスピブが、胃腸間質腫瘍の治療に新たな希望をもたらすことを期待しています。しかし、ピミテスピブの副作用には注意が必要です。必ず医師と相談して、適切な治療方法を選択しましょう。