アトピー性皮膚炎の患者のコルチコステロイド消費量に対する保湿剤「プラス」の毎日使用の影響：オープンランダム化比較試験

著者: Demessant-FlavignyA-L, KerobD, SalahS, ZelenkovaH

原題: Impact of daily use of emollient 'plus' on corticosteroid consumption in patients with atopic dermatitis: An open, randomized controlled study.

概要

この無作為化比較試験では、軽度から中等度の尋常性乾癬（AD）患者において、「保湿剤プラス」製剤を標準的な保湿剤と比較したときの利点を評価した。「保湿剤プラス」群では、同等の有効性と忍容性を維持しながら、量、1日あたりの塗布回数、使用日数に関して、有意なコルチコステロイド節約効果が見られた。

論文詳細　

原文の要約 :

BACKGROUND: Emollients are the baseline treatment for mild or moderate atopic dermatitis (AD) to improve the epidermal barrier and provide anti-irritant and anti-pruritic effects. Emollient 'plus' can influence the skin microbiome of atopic eczema patients. OBJECTIVES: To evaluate the benefits of u...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

アトピー性皮膚炎患者における保湿剤 'plus' の日常使用がコルチコステロイドの使用量に与える影響

アトピー性皮膚炎 (AD) の軽度または中等度の治療において、保湿剤は表皮バリアを改善し、抗刺激作用と抗掻痒作用を発揮する基礎治療法です。保湿剤 'plus' は、アトピー性皮膚炎患者の皮膚マイクロバイオームに影響を与える可能性があります。本研究では、コルチコステロイドの使用量を減らすための保湿剤 'plus' の使用の利点を評価しました。

保湿剤 'plus' は、コルチコステロイドの使用量を減らす可能性

本研究では、保湿剤 'plus' を毎日2回使用した群は、従来の保湿剤を使用した群に比べて、コルチコステロイドの使用量が有意に少ないことが示されました。また、保湿剤 'plus' を使用した群は、従来の保湿剤を使用した群に比べて、コルチコステロイドを塗布した日数も少なくなりました。両群とも、SCORADスコア、PO-SCORADスコア、局所SCORADスコア、皮膚感覚スコア、AD負担尺度、患者ベネフィットインデックス >1、被験者と調査員の有効性と忍容性アンケート評価など、臨床評価において同様の改善が見られました。

保湿剤 'plus' は、ADの治療において有効な選択肢となる可能性

これらの結果は、保湿剤 'plus' が、コルチコステロイドの使用量を減らしながら、ADの症状を改善する可能性を示唆しています。保湿剤 'plus' は、ADの治療において有効な選択肢となる可能性がありますが、副作用のリスクがあるため、医師の指導のもとで使用する必要があります。

ラクダ博士の結論

砂漠を旅するラクダは、厳しい環境下でも、様々な植物を食べて生き延びます。保湿剤 'plus' は、アトピー性皮膚炎という砂漠を旅する患者にとって、生命維持のための貴重な植物のような存在かもしれません。この研究は、保湿剤 'plus' が、アトピー性皮膚炎の治療に新たな選択肢をもたらす可能性を示しています。今後の研究により、より安全で効果的なADの治療法が開発されることを期待しています。