恐怖症の治療。I. イミプラミン塩酸塩とプラセボの比較

著者: KleinD F, RossD C, WoernerM G, ZitrinC M

原題: Treatment of phobias. I. Comparison of imipramine hydrochloride and placebo.

概要

恐怖症の成人218人を対象とした研究では、イミプラミン（抗うつ薬）は、広場恐怖症や混合恐怖症など、自発的にパニック発作を起こす患者にとって、プラセボよりも効果的であった。この改善は、行動療法（BT）を受けた人と、支持的療法を受けた人の両方で見られた。しかし、自発的にパニック発作を起こさない、単純な恐怖症の患者では、イミプラミンとプラセボ間に有意な差はなかった。

論文詳細　

原文の要約 :

In a controlled-outcome study of phobias, 218 adult phobic patients (147 women and 71 men) received a course of 26 weekly treatment sessions that consisted of behavior therapy (BT) and imipramine hydrochloride, BT and placebo, or supportive psychotherapy and imipramine. The BT consisted of systemati...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

恐怖症の治療：イミプラミン塩酸塩とプラセボの比較

恐怖症の対照群における結果研究では、218人の成人恐怖症患者（女性147人、男性71人）が、行動療法（BT）とイミプラミン塩酸塩、BTとプラセボ、または支持療法とイミプラミンの26週間の治療セッションを受けました。BTは、空想を用いた体系的な脱感作とアサーティブネス・トレーニングで構成されていました。患者は、広場恐怖症、混合恐怖症、または単純恐怖症として分類されました。各群の患者の状態は、中等度から著しい改善が見られましたが、自発的なパニック発作を経験した患者、つまり広場恐怖症または混合恐怖症の患者では、イミプラミンの効果はプラセボよりも有意に優れていました。自発的なパニックを経験しない単純恐怖症の患者では、イミプラミンとプラセボ間に有意な差はありませんでした。本研究は、自発的なパニックを経験した恐怖症患者と経験しない恐怖症患者を、薬理学的利益の観点から明確に区別しました。

イミプラミンは自発的なパニック発作のある恐怖症に効果的

本研究の結果は、イミプラミンが、自発的なパニック発作を経験する恐怖症患者に効果的であることを示唆しています。イミプラミンは、不安やパニックを軽減する効果があるため、自発的なパニック発作を経験する患者にとって有効な治療法であると考えられます。ただし、イミプラミンは副作用のリスクがあるため、医師の指導のもとで使用することが重要です。

恐怖症の治療

恐怖症は、特定の物や状況に対する強い恐怖や不安を特徴とする疾患です。恐怖症は、日常生活に支障をきたすことがあります。恐怖症の治療には、行動療法や薬物療法が用いられます。恐怖症の予防には、早期の治療が重要です。恐怖症の症状に気づいたら、医療機関を受診して適切な治療を受けてください。

ラクダ博士の結論

恐怖症は、まるで砂漠の蜃気楼のように、現実とは異なる恐怖や不安を感じさせてしまうことがあります。イミプラミンは、蜃気楼の幻影を消し去る魔法の薬のように、恐怖症の症状を軽減する可能性があります。しかし、恐怖症の治療は、個々の患者さんの状態や症状によって異なります。医師の指導のもとで、適切な治療を受けて、恐怖症から解放されるようにしましょう。