[意識のあるヒトにおけるフェンタニルとモルヒネの副作用の比較（著者訳）]

著者: CathelinM, MalkiA, ViarsP, VignesR

原題: [Comparison between the side-effects of fentanyl and morphine in conscious man (author's transl)].

概要

本研究では、顔面または三叉神経痛の患者におけるフェンタニル酒石酸塩とモルヒネ塩酸塩の副作用を比較しました。両方の薬剤は、鎮静作用と嘔吐の頻度が似ていましたが、フェンタニルはモルヒネよりも強い幸福感と換気をより顕著に低下させました。重要なことに、モルヒネは有意な血圧低下を引き起こしましたが、フェンタニルは心臓血管への影響がほとんどありませんでした。

論文詳細　

原文の要約 :

Fentanyl citrate or morphine chlorhydrate are injected intramuscularly at increasing doses to patients suffering from intense pain in the facial or trigeminal nerves territory: --fentanyl = 0.0015, 0.003, 0.006 mg/kg; --morphine = 0.100, 0.150, 0.200 mg/kg. The clinically observed side-effects are n...掲載元で要旨全文を確認する

ラクダ博士の論文要約ブログ

フェンタニルとモルヒネの副作用比較

麻酔薬研究の分野では、患者さんの痛みを和らげつつ、副作用を最小限に抑えることが重要な課題です。本研究では、フェンタニルとモルヒネという2種類の麻酔薬の副作用を比較し、その違いを明らかにすることを目的としています。研究者は、意識のある患者さんにフェンタニルとモルヒネをそれぞれ異なる用量で筋肉注射し、3時間かけて副作用を観察しました。その結果、フェンタニルはモルヒネと比べて、呼吸抑制がより強く、吐き気は少ないことがわかりました。また、フェンタニルはモルヒネよりも幸福感をもたらす傾向がありました。一方で、鎮静効果は両方の薬剤で同じように見られました。最も重要な違いは、モルヒネは用量依存的に血圧を低下させるのに対し、フェンタニルでは血圧への影響がほとんど見られなかったことです。

フェンタニルとモルヒネの副作用の違い

フェンタニルとモルヒネは、どちらも痛みを和らげる効果がありますが、副作用の度合いが異なります。フェンタニルはモルヒネよりも呼吸抑制が強く、吐き気は少ない一方で、幸福感をもたらす傾向があります。血圧への影響は、モルヒネは低下させるのに対し、フェンタニルではほとんど見られません。

日常生活への応用

フェンタニルとモルヒネは、どちらも強い鎮痛効果を持つ薬剤ですが、副作用の特性が異なります。そのため、医師は患者の状態に合わせて、適切な薬剤を選択することが重要です。例えば、呼吸器系の問題を抱える患者さんには、呼吸抑制のリスクが低いモルヒネが適しているかもしれません。また、吐き気や嘔吐を起こしやすい患者さんには、フェンタニルが適しているかもしれません。

ラクダ博士の結論

フェンタニルとモルヒネは、どちらも痛みを和らげる効果がありますが、副作用の度合いが異なります。医師は患者の状態に合わせて、適切な薬剤を選択することが重要です。この研究は、薬剤の選択における重要な情報を提供しています。砂漠を旅するラクダのように、様々な状況に合わせて適切な薬剤を選択することが大切ですね。